ニール・シンプソンは22世紀のスナイパーだった。正確には2130年のイギリスに生きていた。そう確かに生きていた。彼はイギリスの特殊部隊センチュリーに所属をしていたが、2年で部隊を辞めている。理由は不明だが、間違いなく政府の仕事を請け負うスナイパーだった。もしかすると除隊は名目上の話で政府の要請でニールはスナイパーをしていたのかもしれない。そう、それは雨の降る6月の話だった。「12番のジャガーを出してくれ。」ニールは駐車場の係員にそう言った。そのシルバーのジャガーは自走装置によって

ニールの目の前で止まった。「ありがとう」駐車場の係員がシールド傘をニールが車に乗り込む際にさしてくれた。実際には何も無いのに雨がシールド傘の表面を叩く音がした。ニールがジャガーのドアノブを触っただけで生態認証が行われドアが自動的に開いた。ニールは駐車場係りにチップを渡しジャガーに乗り込んだ。水素エンジンの音を響かせ静かに駐車場を出た。ニールはウォーレンストリートに向けて車を走らせた。シールドワイパーが雨をはじき視界は良好だった。ニールはもう一度、今日の任務を確認する為に

ウィンドウ スクリーンに政府機関からの指令画面を再生した。サイモンの顔が映り彼はこう言った。

「ニール、今回のターゲットは君と同じスナイパーだ、非常に優秀なスナイパーで、今回は君にとっても

タフな仕事になるかも知れない。心して取り掛かってくれ。相手の名前は判らない、とにかく優秀なスナイパーでジョナサン首相を狙っている。やつがウォーレンストリートのジェレミーホテルにいると言う情報がCTUに入った。時間がない。即座に始末して欲しい。801号室に奴はいる。幸運を祈る。」ニールは雨のウォーレンストリートに到着した。