健二は中庭のベンチに腰をかけ白衣のポケットからマルボロを取り出しちょっと曲がってしまったタバコを手で伸ばして火をつけた。「フー」健二は大きくたばこを吸って大きくはいた後、こう言った。「今から15年前にアインシュタイン博士が来日したのは覚えていると思うが、実はその時に日本政府は今実験をしているこの加速器による人間の意識移動に関して博士から極秘に情報をもらっていたんだ。」・・・「え、本当ですか?」美墨は始めて聞く健二の言葉に驚いた。健二は続けた。「この人体実験はこのあたりで終わりにしたい。これ以上続けても成果は出ないだろう。ハルピンに来月、日本政府が世界最大の加速器を完成させる。これはアインシュタイン博士の設計図に基づき10年の歳月をかけて開発したものだ、この加速器を使う事により我々の実験は完成を見ることだと確信している。」・・・「先生!今までやって来たこと無駄では無かったんですね!」美墨が興奮して健二に言った。「そうだ。美墨君、これまでの実験データをついに生かす事ができるんだ。ドイツが日本にこの設計図を開放した理由は日本の基礎研究分野の優秀性をアインシュタイン博士が認めてくれた事がきっかけだと聞いている。日本とドイツが新しい時代を切り開いていくんだよ。健二は人体実験がドイツでも罪の無いユダヤ人を使い行われている事を知っていた。もちろん自分たちが行っているこの人体実験も悪魔の実験であることを認識していた。ひそかに自分は身を引くつもりであった。後は美墨に研究を引き継いで・・・・