第283部隊、彼が所属していた部隊であった。あの悪名高い細菌戦部隊の731部隊のほかにも数多くの部隊が中国の東北部に集中して存在していた。それらの部隊では何の罪も無い中国人が裁きも無いままに特別移送扱いと称して連行され死刑宣告を受けたのだった。彼らはマルタと呼ばれ人体実験を繰り返されていた。マルタとはそう、丸太棒と言う意味だった。健二は美墨と言う助手と共に危険な研究をしていた。

「マルタを連れてきてください。」美墨は研究員に指示をした。そのマルタはすでに舌を抜かれ言葉を発する事も出来ない状態であった。美墨はマルタに加速器と呼ばれるヘルメットの様な物を装着した。「それでは実験1567開始する。」健二は実験室の隣のガラス張りになった司令室から実験の開始を告げた。「ウィーン・・・・・ウィーン」と言う低い周波数のかすかな音が徐々に大きくなり、そのマルタは次第に小刻みに震えだした。強固な椅子に縛り付けられてはいたのだが、最後にはその椅子がガタガタと言う大きな音を立てる位にマルタは苦しみもがき暴れた。ウィーン・・・ウィーンと言う音も耳を覆いたくなる位に部屋中に響きわたりマルタは泡を吹いてグッタリとしてしまった。マルタは完全に死亡していた。健二はガックリとうなだれ、美墨に言った。「しばらく休憩だ、ちょっと一緒に来てくれないか?」「判りました。」美墨はそう答え研究着を脱いだ。二人は司令室を出て、研究棟の中庭に出た。