和美は東京の杉並区に小さなマンションを借りていた。家賃もそこそこするマンションであったが、和美は東北の造り酒屋の一人娘で実家からの毎月の仕送りでお金に困ることはなかった。その日、和美は家に帰るとまずお風呂にお湯を入れた。和美はバスタブにお湯を目いっぱい入れあふれる様に風呂に入ることを好んだ。何か贅沢な気持ちになれうれしかった。実家ではなかなかしきたりが厳しくできることではなかったからだ。外国風に体はいつもバスタブの中で洗うことが習慣になっていた。風呂から上がり、お香を焚いた、バリで今年の夏に琢磨と旅行に行った際に買ったものだ。お気に入りのジョンスコフィールド・カルテッテのCDをかけ、部屋の電気を消し、ベッドにもぐりこむといつもの儀式に入った。大きく鼻から息を吸い込み息を数十秒止める、数十秒かけて鼻から出しまた大きく鼻から息を吸い込み息を数十秒止める、また数十秒かけて鼻から出す、彼女は数回それを繰り返し精神統一を図った。瞳を閉じここからが本番だ。今までの訓練で光のイメージをつかむことが出来ていた彼女であったが、昨日それが何を意味を持っているのかおぼろげに判ってきており、今日はそれを確かめるつもりであった。