「和美って将来の夢とかある人?」琢磨は唐突にこう切り出した。・・・「何よいきなりまじめな話なの?・・そっちから言いなさいよ。」和美はそう言ってカレーライスをひとくち口に運んだ。 和美は午前中、後期試験に備え図書館で勉強をしていた。携帯で恋人の琢磨を呼び出し、学食で一緒にランチをしているところだった。 さらに琢磨はメガネを右手の人差し指で押し上げながらこう言った。「実はさ俺、今日マジで変な気分なんだ。うまく言えないんだが、自分が宙に浮かんでいる様な、なんていうか落ち着かない気分で・・・何かをやらなくちゃ、今すぐに・・・やらなくちゃって・・・誰かにこう耳元でささやかれている感じなんだ。和美は音楽が好きだし、何か前にその道に進みたいって言ってたじゃない?それって今でも真剣に考えているわけ?」 「うーん分からないわ、とにかく今は明日の後期試験を乗り越えることかしら・・・」和美は適当な答えでごまかしていた。実は琢磨が感じているその感触について以前から考えていることがあり今晩それを実行する予定だったのだ。