「作戦があります。」由美はおもむろにポケットから携帯電話の様な機械を取り出した。それは奇妙な形をした物体で何に使うものかまったく和美たちには想像できなかった。「これはホログラムを作り出す機械なんです。このセントラルの最上階のコントロールサーバーまで無事にたどり着けると言う確率は0に近いと思います。奴らは私たちを見つけたら容赦なく抹殺するでしょう。そこで私が和美さんと琢磨さんのホログラムと一緒にまず降参します。その10分後に和美さん達もこのホログラムを使って自らを消し去り最上階に直行してください。」「え、何この機械で自分を消すこともできるわけ?」和美は由美が突然想像もしていなかった事を話し出したのでこの子は何者?と言う気持ちでいっぱいだった。琢磨は由美から手渡されたその機械をもの珍しそうに手に取って眺めていた。「それでは10分後に最上階直行エレベーターでコントロールサーバーまで行って下さい。ダウンロードの仕方はこの前に説明をさせて頂いた通りです。頑張って下さい。私たちの世界を守れるのは和美さんと琢磨さんだけです。」そう言って、由美はセントラルに消えていった。その十分後、和美と琢磨はその奇妙な機械のスイッチを入れ、姿が消えたことを確認し最上階までのエレベーターに向かった。セントルに侵入する事は困難ではなかった。その直行エレベータの前にはセキュリティがいたが、和美たちが侵入した時にはちょうど交代の時間だったのか一瞬、セキュリティが持ち場を離れた。和美は思った。「何?綿密に計算されているの?」二人は最上階までのエレベーターに難なく乗り込む事ができた。最上階まではほんの数分で到着した。「プッシュー」と言う音と共にコントールサーバー室のドアが開いた。そこはちょうど30平米四方位の金属の壁に囲まれた部屋で部屋の真ん中には50センチ位の突起物がありそれがコントロールサーバーのコントロール部分だと由美から聞かされていた。部屋はひんやりとしていた。思わず二人は言いようも無い寒気に襲われた。