東京に戻って二日目の朝。
カーテンを開けると、思ったよりいい天気だった。秋の光が静かに街へ落ちていて、空はどこか澄んでいる。
軽く支度をして外へ出る。朝の東京はまだ静かで、街がゆっくり呼吸しているみたいだった。歩いているうちに、無性にコーヒーが飲みたくなった。
路地の奥の小さなカフェに入る。扉を開けると、焙煎した豆の香りが静かに迎えてくれる。窓際に座って、深煎りを一杯。
湯気の向こうに、会社へ向かう人、犬を連れた人、自転車の学生。それぞれの朝が、それぞれの速度で動いている。私はただ、コーヒーを片手にそれを眺めていた。
特別なことは何もしていない。天気が良かったから外に出て、コーヒーを飲んだだけ。それなのに、この時間が妙に贅沢に思えた。
東京に戻って二日目の、静かな朝。




