NO エッセイ NO ライフ

NO エッセイ NO ライフ

肩書:(自称) 随筆家

「真剣にふざける」をモットーに、
読んでくださった方を元気にしたい。

Amebaでブログを始めよう!

自分のことを、動物嫌いの冷血人間だと思っていた。

 

 

ほんの2年前までは。

 

 

子犬をみつけ「キャー、カワイイ♡」などとハデに駆けより、かわいがっている女子をみると……。

 

 

「オイオイ、子犬をかわいがることによって、自分のかわいさを演出してるんだろ?」と心のなかで悪態をついていた。


 

 

動物好きの心やさしき人達のことを、斜めにみていたのである。

 

 

 

小学3年生のとき、下校中に家の近所でオラオラ系の野良犬に絡まれた。

 

 

オラ犬が近づいてきた。

 

 

私は後ずさりした。

 

 

さらにオラ犬は、猛烈な勢いで「バウワウ!」と外国風にほえながら追いかけてきた。

 

 

 

シュタタタタタターと、逃げるピー子。

 

 

追う、オラ犬。

 

 

ピシャ。

 

 

あと一歩のところで玄関のドアを閉め、事なきを得たのである。

 

 

ちなみに実家の玄関は引き戸だ。

 

 

そんなわけで、この動物嫌いの冷血ロボ、ピー子が完成したのだった。

 

 

 

今から2年前、夫が「Twitterのアイコンとか、ツイートにやたらとネコの写真がある」「ネコ好きが多いんだ。カワイイ、飼いたい」と言い始めた。

 

 

「ネコを飼いたいだって?」

 

 

「あの野蛮な、ネコを飼いたいだって?」

 

 

「何度でも言おう!ミャーミャーとわめきちらす、ネコを飼いたいだって?」

 

 

ウィーンウィーンウィーンウィーン

 

 

「冷血フィールド展開!」

 

 

「毛だらけの動物、ネコを排除せよ!」

 

 

 

だが、しかし……。

 

 

 

夫を愛すると誓った。

 

 

この生命、尽きようとも……。

 

 

この身体、屍となり、朽ち果てようとも……。

 

 

内心、ドキッとしたが、愛する夫の希望を却下する理由がどこにあろうか!

 

 

「やあやあ我こそは、夫だいすきピー子なり!冷血の國から参った」

 

 

 

冷血ロボ、ピー子は勝手に動物アレルギーだと思っていたので、まずは2人そろって検査に行った。

 

 

結果をみて、びっくらこきまろ。

 

 

基準値が170以下でOK なところ、29.1。

 

 

驚異の2ケタ台。

 

 

私は、アレルギー界の全能の神だ。

 

 

海をも割れそうだ。

 

 

せっかくだから保護ネコと暮らそうと「譲渡会」を調べた。

 

 

近所でも数カ所開催されていたのでさっそく参加。

 

 

ネットでチェックしていた、お目当てのネコへピー子まっしぐら。

 

 

「キャー、カワイイ♡」

 

 

「……」

 

 






 

ここで、速報です。

 

 

動物嫌いの冷血ロボ、ピー子氏が謝罪会見を開くもようです。

 

 

え~っ、本日はお忙しいところピー子の会見のためにお時間を要することになり大変申し訳ありません。

 

ピー子におきまして、このエッセイの前半において「オイオイ、子犬をかわいがることによって、自分のかわいさを演出してるんだろ?」と心のなかで悪態をつき、心やさしき動物好きの方々を斜めにみておりました。

 

動物好きの皆様には、大変不快な思いをさせてしまったことを深くお詫び申し上げます。

 

 

 

 

「さーせん。動物、カワイイです!いいんです!」

 

 

とくにカワイイ♡子だったので、ライバルがあと2組いたようだが、事前アンケートもしっかり書いてのぞんだ甲斐もあってか、保護主さんが私たちを選んでくれた。

 

 

それから2日後、これからネコちゃんが暮らすおうちのチェックもかねて、保護主さんが我が家へネコちゃんを連れてきてくれた。

 

 

3月のお天気のよい午後……。

 

 

保護主さんから爪の切り方や、一緒に暮らすときのアドバイスを聞いていると、窓の近くでネコちゃんがカカカカカカッと、後ろ足で首のしたを掻いた。

 

 

そのとき、逆光のなか抜け毛がファッサーとありえない量、宙に舞った。

 

 

一瞬ゾッとしたが、私はもう冷血ロボではない。血の通ったロボだ。

 

 

抜け毛だって、おトイレのお世話だってどんとこいだ。

 

 


大好きなマンガのキャラクターから「イギー」と名付けた。

 

 

 

イギーが来てから、2年。

 

 

夫と私とイギーは毎日笑って暮らしている。

 

 

これからも、ずっとその予定だ。

 

 

笑う門にはネコ来たるのだ。