”子供を母乳だけで育てている”というと、
母乳育児に理解のない、たいていの人は
”栄養が足りなくなるんじゃない?”
”カルシウム不足で骨がおかしくなるよ”←姑談。
”母乳で育った赤ちゃんって、貧血になるらしいよ”(←”らしい”って?^^;)
と言われることがあるのですが、
ぜーんぜん、そんなことはありませんでした。
今回は、母乳中の鉄分についてのお話です。
母乳にはもちろん、鉄分も含まれているのですが、
人工乳と比べて何が違うかというと、
その吸収率が違います。
母乳中には、人工乳ほどに鉄分は含まれていませんが、
母乳からの鉄分の吸収率は49%
人工乳からの鉄分の吸収率は10%
鉄分を強化した人工乳で4%
(母乳育児支援ガイドより抜粋)
と大きく違いがあります。
人工乳では、吸収率が悪いため、
その分、鉄分が多く含まれています。
そして、赤ちゃんの貧血の原因の多くは、
母乳や離乳食はほとんど関係がなく、
実際は、妊娠後期にお母さんから赤ちゃんへの
鉄分の移行に問題があることがほとんどです。
妊娠末期に、お母さんから赤ちゃんへ、
必要な鉄分が送られるのですが、
これが6か月から9か月までの赤ちゃんに
必要な鉄分(貯蔵鉄)となります。
なので、早産の場合、胎盤の働きに何らかの問題があったときなどに
うまく鉄分の移行が行われないことがあります。
これらのことが、赤ちゃんの貧血の原因となっていると
考えられます。
母乳中に含まれている鉄分が人工乳より少なくても、
その鉄分は無駄なく利用されているので、
母乳のみで育てているからと言って、
心配する必要はありません。
それでも、どうしても心配になる、気になる、という場合は、
お母さんが鉄分を補給してみてください