秋の花粉症
花粉症は春だけではない!
春に飛散するスギ花粉で苦しむ日本人は多いですが、スギの季節でもないのに目がかゆい、くしゃみや鼻水が出るといった症状があるときは、ほかの樹木や草による花粉症の可能性があります。
スギ花粉が飛ばない季節、秋にも花粉症が発症する人は意外と多いのです。
●スギ花粉症と似た症状
夏から秋にかけてスギ花粉症のような症状が出たら、それは草本(そうほん)花粉による花粉症の可能性があります。
草本とは、イネ科やキク科などのいわゆる雑草のことで、カモガヤ、ブタクサ、ヨモギによる花粉症がよく知られています。
土手、公園、道ばた、ゴルフ場と、どこにでも生えている植物です。
スギ花粉と同様に目や鼻にアレルギー症状を起こすほか、イネ科は皮膚のかゆみが出やすいのも特徴です。
●スギ花粉症の人は要注意
スギやヒノキの花粉は山から数十キロの距離を飛んできますが、これらの草本植物の花粉は草丈が低いため、数十〜数百メートルの範囲にしか広がりません。
秋の花粉症は範囲が限定的で、スギやヒノキに比べると症状もマイルドなので、あまり注目されてきませんでした。
しかしこの時期に花粉症の症状を訴える患者数は着実に増加傾向にあります。
スギ花粉で症状が出ている人は、ほかのアレルゲンでも症状が出やすくなります。
つまり、今はスギ花粉の季節だけ花粉症の症状が出ている人でも、将来的には秋にも花粉症の症状が出る可能性もあるということ。
草本花粉は地面から1メートルほどの高さまでで漂うため、子供が発症するケースも少なくありません。
自宅や職場の周辺に生えていなくても、ウオーキング、ランニング、犬の散歩、ハイキングと行動範囲が広がれば、発症のリスクは高くなります。
●河川敷は注意を
秋の花粉症対策としては、イネ科、キク科の草が生えている場所にはなるべく近づかないことが一番です。
特に風の通り道となる川のそば、土手沿いに住む人は川に面した窓を開けないこと。
もし草の生えた場所に出かけてムズムズしてきたら、マスクやゴーグルで防ぐこと。
また、秋の花粉症の原因となる植物が近くにないのに症状が出ている人は、夏に増えたダニの死骸やハウスダストによるアレルギーの可能性があります。
早めに耳鼻咽喉(いんこう)科を受診して、アレルゲンを特定するとともに、適切な治療が必要です。
一方、スギ花粉症で苦しむ人にとって気になるのは、来春のスギ花粉の飛散量ですね。
スギ花粉の量は、前年夏の天候に大きく左右されます。
一般的に気温が高く、晴れの日が多く、雨の少ない夏は花芽が多く形成され、翌春の花粉の飛散数は多くなります。
花粉を飛ばすスギの雄花は、毎年7月頃からつくられ始め、10月頃にかけて成長します。
このときの気象条件によって雄花のつくられる量が大きく違ってきくるのです。
雄花の成長には、日射量、最高気温、平均気温、降水量が影響を及ぼします。この時期に十分な日照時間があり、暖かな日が続くと雄花は大量につくられ、翌年春の花粉量が多くなります。
また反対に、冷夏などで夏の気温が上がらなかったり、雨の量が多く日射量が減ったりすると翌年の花粉量は少なくなります。
いったん成長した雄花は、秋以降に気温が下がってくると休眠状態に入ります。このまま1月頃まで活動を休止し、春になるのを待つことになります。
●花粉の飛び始めに関係する積算最高気温
雄花は1月から徐々に目を覚まし、開花準備に入ります。1月の気温が高いほど早く開花し、飛散開始も早くなります。
逆に、寒い日が続くと飛散開始は遅くなります。このように花粉が飛ぶことには積算最高気温が関係しています。
積算最高気温とは、1月1日からの毎日の最高気温を足していって、その積算温度が西日本では400~500℃、東日本では300~350℃になると飛び始まるという目安の気温のことです。
それぞれの地域でこの積算温度に達すると、いよいよ花粉が飛び出します。
花粉の飛散が始まったあと通常では3~4週間後にピークを迎えますが、飛散開始後の気温があまり上がらないと、ピークがはっきりせず、いつまでも飛び続ける傾向があります。