男と女
僕は、大手外資系企業に勤めるサラリーマン。朝は出社前にサーフィン。昼は仕事をバリバリこなし、夜はジムで汗を流す。
週末はサーフトリップ。いい波を求めて日本中、時には海外にも行ってしまうほどだ。
いわゆる独身アラサー男子で今はサーフィンが生活の中心。
『きちんとした彼女』なんてものはもう、ここ2、3年いない。
縛られるのが嫌いなのもそうだが、何より、女性特有の『波』が嫌いだ。
…公私ともに充実した毎日を送っている僕だが、一つだけ悩み事がある。
上司だ。
仕事が出来てプライドが高い。
まるで自分を見ているかのようだ。
『競争社会を生き抜くためには、オンリーワンでなくてはならない!』
と、常々思っているのだが、
考えれば考えるほど似ていて、それが組織としていい方向に向かうこともあるが、はっきり言って、僕にとっては目の上のたんこぶだ。
ーーー働く女ーーー
…
その年の暮れ、例のごとく、うちの部署でも忘年会があった。
この日ばかりは無礼講だ。
僕は、いつも完璧を装っている彼女を酔わせて、少しばかり恥をかかせてやろうと考えた。
ビール、ハイボール、焼酎、ワイン、日本酒、ビール、ワイン、ワイン…
ぐでんぐでんに酔っ払った彼女は、おもむろにメガネを外した。
その瞬間、僕は恋に落ちた。
スーパーベタだが恋に落ちた。
今まで気づかなかったが彼女、タレントのBによく似ている。
ーーー告白ーーー
始まりなんてこんなものだ。
僕たちは付き合うことになった。
悩みの種が、これまた悩ましい香りの花を咲かせたとでも言おうか。
ーーーー
忙しい僕らだが、なんとか予定を合わせて初めて二人で旅行へ行った。
出発ロビーでアロハシャツ着ちゃうくらい浮かれまくりだ。
最高過ぎた。最高過ぎたんだよ。
でもさ、過ぎるってよくないんだよ。
君もわかるだろ?
過ぎたらだめなんだ。
僕も何度か経験があるから分かってはいたんだ。
このパターンは良くないって。
思っていたよりも早く訪れた倦怠期。
そして、追い打ちをかけるかのように決まった、僕の海外支社への異動。
予期せぬタイミングで始まった遠距離恋愛。
果たしてこれを機にまた燃え上がるのか、このまま冷めていくのか。
南国
北国
遠距離恋愛
ーーーーー
シンガポールに来てから3カ月がたったある日、同期の仲間から連絡がきた。
彼女、浮気をしているらしい。
それも相手は、元部下の男。
マッシュルームカットがトレードマークの、通称きのこ頭だ。
しかもあいつ、最近結婚したばかりじゃないか!
なんてゲスな野郎だ。
ゲスを極めてやがる。
ー卒論ー
ー渚の手ー
僕は許した。
人は誰しも、一度や二度過ちを犯すものさ。
いつも、波を待ちながら海に浮かんでいると、もっと広い心を持てよ、と言われている気がするものだ。
うん、逆に、広い心を持て欲しいとも思うわけだ。
ん?
やっぱり海外に一人ってのも寂しいわけさ。
お互い様ということで。ね。
あれから何年も経ったけど、
まぁこうやって、今も一緒にいるんだから、
本当、男と女ってものは良くわからないよな。






















