エリック&キャリエール トークショーレポート
息子からまさかのクレーム!?
「親子愛」と「先輩・後輩愛」の真実!!
9月27日の昼公演終了後は、ファントム(エリック)役の城田優さんと、ゲラール・キャリエール役の吉田栄作さんとのアフタートークショーが開催されました。ファントムと父親との関係、そして城田さんと吉田さんとの関係がどのように明らかになるのでしょうか。司会は竹下典子さんです。
司会 「作品のテーマの一つとして親子の愛が描かれていますが、最初に脚本を読まれた時は、どういう印象をお持ちになりましたか?」
吉田 「(自分が演じる)キャリエールさえいなければ、(エリックは)こんなことになってない。ひどい男だと思いました(笑)」
吉田さん、いきなりの自虐発言!?(笑)。
司会 「では、エリックは父親に対して、どんな気持ちで育ってきたのでしょうか?」
城田 「ゲラール(キャリエール)は、唯一小さい頃からエリックのそばにいる人なので、怒りや甘え、幼稚さが出せる相手です。けれど素直になれない関係でもある。僕らの間には見えない壁がある。その壁を意識しながら二人で演じています」
吉田 「二人の微妙な関係は、稽古期間から試行錯誤を重ねてきました。本番に入ってからも優は毎回その微妙な関係に違いを出してくるんです。それが(演じていて)おもしろいし、どう合わせていけるかというのも毎回勝負ですね」
早くもお二人の関係と芝居の濃厚さが垣間見えてきました。物語の核ともいえる、エリックとキャリエール、二人の対話とデュエットは、とても反響の大きい名シーンです。毎回、完全に役に入り込んでいるという吉田さん演じるキャリエールには、エリックの顔がどのように映っているのでしょう。
吉田 「(今では)仮面の下が見えるようになってきました。まぁね、楽屋も隣りだしね(笑)」
城田 「(楽屋)暖簾の色も一緒だし(笑)」
吉田 「親子のように過ごしてますよ」
ちなみに城田さんと吉田さんの楽屋の暖簾の色は○○色です。知りたい方は、公式ブログをチェックしてみてくださいね!
城田 「でも、二人は素直になりきれない、かわいそうな親子ですよね。最初に栄作さんも言われたように、ゲラールが悪いですよ。僕(エリック)がこうなったのは、ちゃんとした教育をしてくれなかったからだし(笑)、彼がもっと……」
ここでまさかの!エリックからキャリエールへのダメ出しの雨あられ!!(笑) 「あなたが勝手に彼の未来を閉ざしてしまったんですよ」というエリックのクレームに、
吉田 「すまん……」
こんなやりとりが出来るのも、稽古から本番へとがっぷりよつに組んでエリックとキャリエールとして関係を築いてきた証ですね。
そんな二人の間に、クリスティーヌという存在が出現します。
吉田 「僕が好きなのは、クリスティーヌの歌声を聴いたエリックと彼女が初めて出会うシーン。二人の関係、エリックの言動を見ながら本当だったら……と考えてしまうあのシーンは好きですね」
城田 「エリックはもともと女の人と接する機会がないような暮らしをしている青年。なので、クリスティーヌとはじめて対面するあのシーンは、一瞬時が止まってしまったような、あれ、この気持ちなんだろうという思いで演じています」
城田 「ラストにかけてのシーンもそうですが、本当に人間らしい物語だと思います。クリスティーヌの言動だってひどいけど、それもリアル。登場人物の誰もが矛盾しているんですが、人間ってそもそも矛盾を抱えているものだし、そういう意味でもこの『ファントム』はよくできた物語だと思います。ご覧になっている皆さん自身も、“でもわかるわ、この気持ち”とか、“(自分もこの状況だったら)こうなっちゃうかもな”と思うこともあると思うんです」
ところでお二人は、事務所の先輩・後輩の関係でもあります。普段から交流はあるのでしょうか?
城田 「今回が初めての共演になるので……」
吉田 「前に一度、飲みに行こうか!ってことがあったんですが、普通に断られまして(笑)」
城田 「違います、その日は仕事があったからで……、本当に申し訳ないなぁと思いながらまたぜひ次回誘ってくださいって言ったんですけど、そこからちょっと連絡が来なくて(笑)。でも今回ご一緒することが決まってから一緒にお酒を飲んだりとか、本番始まる前にも親子の仲を深めようということでご飯を食べに誘っていただいたり……とてもお世話になっております」
吉田 「とにかく今回は長丁場ですし、7日間で11公演連続上演というハードな時もあったのでね。だんだんと俺も父性が上がってくるんですよ、優に対しては。不思議なものですね。特に芝居に向けての気持ちはすごいなと思います。とても真摯なので話していても嬉しいですよね。なにせ事務所の後輩ですから(笑)。優が先発ピッチャーだとしたら、俺は絶対にこの試合を勝ち試合にしなくては、というストッパーの役目だと思っているので、最後まで頑張りたいと思います」
先輩からの熱いメッセージが出たところで、城田さんにも吉田さんの魅力を伺ってみると……
城田 「栄作さんは、カッコイイ大人、僕の理想です。これまでいろいろなことに挑戦されてきているので、芝居の話だけでなく、仕事や人生についてたくさん話をさせていただいて共感したり、勉強させていただいたりしています。こんな言い方は失礼なのかもしれないですが、本当に素敵な歳のとり方をされているなぁと、僕もこういう、余裕のある大人に成長していきたいなと憧れています」
先輩・後輩としての強い絆も感じられたところで、エリック&キャリエールのトークショーは終了となりました。
魂が震える親子の愛にも注目の『ファントム』。東京公演は残すところあと2回(内1回は貸切公演)。
そして、待望の大阪公演と続きます。
大阪公演は10/5(日)~15(水)
詳細はこちらからご確認くださいませ!
(栗原晶子)