陽の光に溢れ
美しく明るいこの世界
薄皮一枚隔てた向こうの
「ちょっと違う」世界は
きれいさっぱりと忘れ去られ
声の大きな
正義の仮面を被った何者かに導かれるまま
清く正しく美しい人たちが
同じ方角へ行進する
本当に素敵で
無自覚な優しい人たちは
「きずな」だ「愛」だと謳いつつ
ながらスマホで子供や年寄りを突き飛ばしながら
元気いっぱい、正しい道を進んでいく
たとえ過ちを犯しても
「そんなつもりじゃなかった」と呪文を唱えれば
踏みつけられた誰かの涙が無駄に流れるかわりに
全ては丸くおさまる
強者の威を借り、弱者を追い込み
清く正しく美しく、無自覚で優しい人たちは
本当にフェアで一貫していてブレない
そんな
この宇宙のどこよりも素敵で美しく
ひとつの正義に満ち満ちた世界
今日も太陽が眩しい
眩しすぎて
不届き者のボクは
つい背中を向けてしまう
慣れる方法、楽に進む方法
もちろん答えは知っている
全部ウソだと知っている
明日はどっちだ
きぼうはどこだ
この
あちこち途切れてしまった道は
どこからきて
どこにつながっているの?
どんなに分厚い仮面を被ろうとも
全知全能な何者かにすべてを見透かされ
今夜も
貧相な裸を両手で抱え
氷のベッドで震えて眠る
これらすべてを
受け入れられるほど
強くはないけど
開き直れるほど
卑怯にはなれないから
明日もまた
明るく眩しい太陽の下
一人
足を踏まれ、肩を小突かれながら
流れに逆い歩いてゆく