その夜も大変暑い夜だった
俺はいつものように、玄関にチェーンをかけてドアを開け、
雨戸を半開きにして床についた
風はほとんどなく、重く湿った空気が体にまとわりつくようで、
非常に寝苦しい夜だった・・
耐えられなくなった俺は、実家にいた頃よくそうしてたように、
「まるばい(※)」になって寝ることにした
※: 「まるばい」 = 「生まれたままの姿」・・・・いやん♪![]()
まるばい効果は抜群で、久々の解放感に浸りながら
心地よく眠りにつくことができた
そして・・
明け方、何時頃だっただろうか
いつもと違う、異様な雰囲気に気づいてふと目が覚めた
めちゃくちゃ重いまぶたを必死に開けて様子を伺うと、
玄関からやけに明るい光が差し込んでいる
俺はすぐに先日の体験を思い出し、
ものすごい勢いで起き上がった
眩しい光に目をしばたかせながら玄関を注視すると・・
そこには・・・
いつもの新聞屋のオヤジが、
新聞片手にメチャクチャ驚いた表情で石のように固まっている
俺と目が合うと、呪縛が解けたのか
「お、おはようごじゃ・・・ス」と
蚊の鳴くような声で挨拶をして、
新聞を置いてそそくさと去ってしまった
俺はしばらくボ~っとしていたのだが、
突然自分が「まるばい
」であることを思い出し、
新聞屋のオヤジに、メッチャあられもない姿を目撃されたことを悟った
(朝一番、めっちゃ元気な「リュウト君」・・・・そりゃ、オヤジもひくわな・・)
あぁ、牛乳屋のおばちゃんじゃなくてヨカッタ・・・・・![]()
じゃなくってっ!!![]()
ハッキリ言って、先日の恐怖体験よりも冷や汗ものだよね
それからずっと、
新聞屋のオヤジは俺と目を合わせることはなかった・・
(道で挨拶するときも、集金に来たときも・・)
いや~・・東京ってほんと、住みにくい・・
別の日・・
同じくまるばいで昼寝をしてたら、どこかのガキんちょ(男の子)が
半開きの雨戸から部屋の中を覗き込んでいて、
新聞屋のオヤジ同様石のように固まっていた
俺と目が合うと、
同じく呪縛が解けたように、物凄いスピードで
走って逃げていった・・・恐怖の表情を浮かべながら・・
おそらく、
おうちに帰った後、ママに「変態がいて怖かった」とか何とか
報告したのでだろう・・
ほんっっっと、東京って住みにくい・・
つか、忘れてしまいたい・・![]()