エンジニアの共通言語 | システム運用便り

システム運用便り

システム運用の会社を経営しています。業務のことから日々思うことまで、つれづれなるままにつづるBlogです。


就職してしばらくしてから、1年ほどアメリカに派遣されていた事があり、


その時は、二つのミッションがありました。


1.関連会社の部署に机を置かせてもらっている都合上、そこの仕事を手伝う事


2.シリコンバレーにある会社にオーダーしている開発案件の日本ーUSのブリッジ役をする事


ミッションの1で、このブログでもたまに出てくる西川社長と知り合う事になるのですが、


今回はそちらではなく、ミッションの2のお話。。



アプリケーションの開発をオーダーしていた、ある会社(A社としましょう)には、

モルドバ出身でアメリカでドクターをとったTさんが、

開発のリーダーシップを取っていました。



そのアプリケーションは、ある分野の技術の専門家が使用するもので、

Tさんはその分野に精通した人でもありました。



普段、日本からのオーダーは、メールで私に届き、

Tさんと話しながら進捗状況の確認や問題点の確認を行い、

日本へレポートするという毎日を送っていたのですが、


数ヶ月に一度、日本からベテランのエンジニアのSさんがやってきて、

私では解決できない問題点について、話あっていました。



Sさんを初めてアメリカに迎えた時に、


「三角くん、僕は英語まったく駄目だから、

 先に今回話す事に関する事を君に全部説明しておくから、

 あとはよろしくね」



と、最初に技術的なレクチャーを受け、

Tさんとのミーティングに挑んだわけなのですが、


その分野の技術的なスキルが高くなかった私は、

話が高度になってくると全然ついていけず、

Tさんから質問を受けるたびに、


「Tさんがこういってるんですが、どう返事しましょう?」


と、Sさんに質問し、

Sさんからの回答を得るたびに、


「えっと、それって、こういうことですか?」


と自分が納得行くまで質問して、Tさんに回答するという事を続けてました。


そのうち、議論もヒートアップしてくると、


Tさん、Sさんとも、理解度の低い私を介して話をするのがじれったくなってきたんでしょう。。



二人とも前に出て行って、


「だから、これこれがこうなって、こうでしょ?」

「だから、こうじゃない?」


とSさんが日本語をしゃべりながら、図解と数式をだーっと書いていくと、


Tさんが


「ハラショー、ハラショー」


といいながら、つづきの数式を書いていく。。


英語、ロシア語、日本語が入り混じりながらの、数式トーク。。



最後には、がっちり握手する二人の姿がありました。。


その間、何も出来ずにポカーンと、その様子を見守るしかなかったのですが、


ベテランのエンジニア同士には、数式も共通の言語なんだなぁと


やけに感動しました。



エンジニアに言われて「ムカついた」ひと言を読んで、

http://rikunabi-next.yahoo.co.jp/tech/docs/ct_s03500.jsp?p=lwj012&__m=113385



こんな事を思い出しました。