前衛アートの草間彌生さんの小説が気になり、買ってみました。
『クリストファー男娼窟』
『かくなる憂い 詩集』
その他は見つけられませんでした。自叙伝ではなく、創作の方を読みたかったのです。
草間彌生の世界観が、小説では如何なる文体と言葉で編まれて行くのだろうか?と、ワクワクしました。
『クリストファー男娼窟』を読み始めました。
アメリカの話で、登場人物もアメリカ人。
色彩溢れる描写。私は芥川龍之介の晩年作『歯車』をちらりと思い出しました。こちらも色が印象的で、鏤められた色と色が混ざり合ったり、対比を生んだりしていたなと。
芥川も草間彌生と同じく、統合失調症を患っていた為、幻覚や色彩の世界は共通するんだろうか?とも思いました。
アーティストとして成功し、名前で小説も売れた訳ではないのだ、と確信しました。小説家の顔を持っているのだ。
どんどん読み進めて行ける。惹き込まれる。
久しぶりに良い短編を見付けた。
表現手段が異なるだけで、同じなのでしょう。
美術も、文学も。
芸術とは、そういうもの。