昨日は大切な友人の誕生日。私はショパンのノクターンを贈ろうと決めていて、日曜の朝、演奏動画を撮りに行った。

カワイのグランドピアノのある、いつもと違う練習室へ。
YAMAHAのピアノは、高音が金属的で好きではなかった。カワイは初めて弾いた。内向的な感じで柔らかい音色。ショパンによく似合うと思った。

私の勝手なショパンのイメージ↓
神経質で繊細でちょっと潔癖。
人の多い所が苦手。
控え目だけど、心の奥には熱い情熱を持っている。

もし私が何でも弾ける技量を持ち合わせていたら、感情は激しくとも爆発させずに抑えていて、下からじわじわと醸し出て来る感じにしたいと思う。


ピアノによって音の感じが違うので、最初は自分の出したい音色とピアノを馴染ませるようにして、何度か通した。
その後、撮影して音チェックして、修正かけて、また撮ってを繰り返した。

なかなかノーミスで、且つ自分の思う感じの演奏というのは出来ず、TAKE20以上はやっただろうか?
後半はマスクと花粉症による鼻炎で息苦しく、頭がぼうっとし、暖房付けてないのに体が火照った。ピアノ弾くと手足使ってるからか、いつも暑くなって来る。
タイムリミットが迫り、焦り出す。気持ちを落ち着ける為にも深呼吸だ!と思い、メロディを歌ってるイメージで息を吐き、ブレスの所で深く吸った。
音の流れが良くなった気がして、OKかな?と確認。
すると、スーハースーハー私の鼻息まで録音されているポーン
very noisy. it's a crazy. 即NG!

結局、ミス有りで一番自分のやりたかった表現が出来たのを贈る事になってしまったショボーン

ホールで人前に出て演奏する人は凄いですね!


かくして、私の中での《本番》は終わった。

エネルギーを使い果たし、練習室の近くのササヤ書店という楽譜専門店に行ってみようとしてたのも忘れて、フラフラと帰った。
長編小説1本書き上げた時みたいに、プシューと気が抜けて、暫く何する気もしなかった。
この感じ、久しぶりだな。

ノクターン1曲でこんなだったら、バラード1番弾いた日にゃ気絶してしまうわショック

普段の練習が、いかに省エネだったかを実感したのである。
いつも誰かに聴いてもらえるように、どんな風に聴かせたいのか?意識しなくては。

何か感じるからこそ芸術であろう?
それでこそ、生きた芸術であろう?
あんたがやりたいのはそれだろ?
唯上手く弾けたって、自己満に終わるだけだろ?
真顔心の声がそう言う。


ドキドキしながら初めて贈った演奏は、喜んでもらえて本当に良かった音譜
ここまで頑張ることが出来たのは、友人のお陰だ。
全てに感謝を。
この素晴らしい出会いと、音楽にも。
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