5歳からピアノを習っていた。唯一していた習い事。
きっかけは幼稚園で、オルガンがあって、友達が遊んで弾いているのを見て、私も真似して弾いていたのだ。
すると、「何でピアノ習ってないのに弾けるの?」とその子が言った。
多分、家におもちゃのピアノがあったので、何となくドレミが分かってたんでしょうね。
そうか、ピアノ習ったら色々弾けるようになるんだ。やってみたい!と私は思い、母親に話した。

節約と貯金が趣味の母である。
簡単にピアノを買いはしなかった。何度も「本当にずっとやるんやろね?」と私の意志を疑った。
初めのうちはキーボードを買って貰い、元音楽教師の祖母に習った。
恐らく、祖母がピアノの先生をしていなかったら、私は習わせてもらえなかったかもしれない。
他にも習い事をしたいと言ってみたが、全て却下された。

そんなこんなでピアノを習ったのだが、私は熱中する程しなかった。
毎日、曲を3回だけ練習して終わる。それは、一日3食ご飯を食べるのと同じ感覚で、日常のルーティンの一部にピアノの練習があった。
3回練習だけでも、どんどん進んで行き、楽譜もあっという間にソナチネやらソナタに変わって行った。

多分、音符を読んで覚えるのが得意だったんでしょうね。
今は声楽をやっているが、「初見なのに、しっかり音を取れていますね」と先生に言われるので。
でも、アカペラだったら無理でしょう。何長調?かも適当に、伴奏の雰囲気で「あ、ここは♯入るな」という感じで歌っている口笛
勉強しなきゃと本は持っているが、感覚で取り込む子供の時と違って、理屈っぽくなり難しく感じる。
クラシック音楽ってイタリア語表記なのに、何でイロハニホヘトやねん⁉️ABCでええやろ!
と、ツッコミを入れてしまう。ニヤニヤ

もっと真面目に2時間位練習してれば、今頃は好きな曲を好きなようにサラッと弾けただろうに。
私は退屈していた。いつまで経ってもバッハにモーツァルト、ベートーヴェンである。
つまらない時は弾きながら、空想の世界に旅立ってしまい、心ここにあらず。

高校卒業までやっていたが、発表会は一度も無かった。
普通は、発表会で弾きたい曲選んで、それを目標に頑張るから、新鮮で楽しいんでしょうけど。
当時、画家として活躍していた祖母の教室は、絵の生徒が殆どで、ピアノの生徒は2、3人しかいなかった。

今、声楽で教室に行くと、ピアノの生徒の女の子がレッスンを受けていて、発表会の曲を選んでいて、とっても楽しそうおねがい
音感テストとか、私がやらなかった事を色々やっているのを見て、面白いなと思う。

ピアノをやめてからの方が「こんな感じで弾きたい」という欲求が凄くて、困ったものだ。
声楽で、表現したいことを表現できるなら、それで良いじゃないかうーん
とは言え、やっぱりピアノが好きだラブラブ