小説を書いていると言うと、文学少女と思われるのだが、そんなことはない。
読書するようになったのは、高校・大学くらいからだ。
初めて物語を書いたのは小6で、本格的に書き出したのは高校生の時。部活が文芸部だったので、小説の他、詩やらイラストも書いて雑誌を発行していた。
読書してなくても小説は書けた。
私はドラマが大好きだった。アニメよりもドラマばかり見ている小学生で、特に三角関係や不倫もののドロドロしたのが好きな、子供らしくない子だった。
結局、脚本を書くには至らなかったけど、プロット、ストーリー構成の組み方や、映像で見せる表現が小説に活かせて良かったと思う。
今までの人生で一番多く本を読んだのは、大学生の頃だ。
文学部ではない。西洋文化を研究しており、歴史や芸術と共に、文学の講義も多かった。
レポートを書くのに文献を読み漁り、趣味でも読書するようになった。
フランス文学にハマり、『Les Misérables』が最も好きだった。
それでも名作と言われるものは、実はあまり知らない。夏目漱石や三島由紀夫は読んだことはないし、サリンジャーも知らない。
その為、ちょっと文学について語ったばっかりに、文学好きの人達が目を輝かせて「僕はドストエフスキーが好きなんですよ!〇〇についてはどう思います?」なんて聞いて来られたりして、困る事がある。
卒論は文学になった。
私はゼミを決める時期に、フランス革命と芸術の発展について研究しようとしていた所、たまたまイギリス文化研究の教授に
「あなた、一緒に文学をやらない別に英文学じゃなくても良いわよ」
と声をかけられ、喜んでそのゼミに決めた。その年は、残念ながらフランス専攻が無かったのである。
フランス文学をやる筈だったが、ミヒャエル・エンデの『鏡の中の鏡』を読んで衝撃を受け、結局はドイツ文学になった。
エンデの父はシュールレアリズムの画家で、その絵が挿絵に入っていた。
そこから、私はシュールレアリズムにもハマった。
文学作品を研究する際、その作家の生涯と影響を受けた人物について調べる。
そして、その影響を受けた芸術家と作品について調べたら、またその人に影響を与えた人物を調べ…。
そうする内に、どんどん広がって行く。
それらは私にも影響を与える。
あ、繋がった。あの世界と私が。