今日は土曜日なので気の向くままに、何の制限もかけずに過ごしてる。
なにしたらいいかわからなかったけど、意外と気の向くまま行動すると新しい発見があるもの。
高校生の時の演奏会のDVDを見つけて、観てみた。17歳のときに、Rossini のCruda sorteを歌っていた。もちろんステージでの振る舞い自分の見せ方などはわかっていないものの、声はほんとうによく出ていて、怖いもの知らずなのが伝わってきた。17歳にしてはめっちゃうまかった。正直そのDVDを見つけたとき、昔よりうまくなっている今の自分を確認したくて観た。でも当時の私はほんとにすごかった。自分でも自覚していた。っていうのは周りにそう評価されていたから。コンクールで優勝したし、最年少で大人のコンクールの本選にでたのもその時だった。それが当時の先生の指導の賜物だと自分でもわかっていたので、先生がいなくなったらこの先どう学べばいいのかとも思っていた。
例のごとく私が神童みたいに扱われたのはその一年で、それは私をつけあがらせた気もする。大学に入り誰も歌のことを細かく教えてくれなかった。そこから自分で勉強することを学んだ。大学四年間で歌の実力はある意味で落ちたけど、卒業後ほかの先生に習ったら取り戻せて、なおかつその上を行くことができた。高校最後の一年が自分にとってセンセーショナルすぎて、高校生の私が常に大学生の私を鼓舞して、比べさせた。今思うと馬鹿なことにも思えるけどそのくらい自分でもあのときの自分がすごかったのを自覚していた。
今日その過去の私の映像は、大きな勇気をくれた気がする。自分に制限をかけたくないという思いもあるけどどこかで無理だと処理していた課題を、かつては出来たんだと思い出させてくれたし、強気でいていいこと、自分を肯定していいこと、とにかく私はできるって思わせてくれた。
今エイミーワインハウスという27歳で亡くなったジャズ歌手のドキュを見てた。私は最近28になったけど、まだ何も成し遂げてない。彼女の大変な人生を見ていて悲しい気持ちになった。自分で招いたこと、彼女の気質のせいともいえるけど、周りに恵まれなかったのも大きな理由だと思った。でも私の正反対の、私が絶対に経験しえないことを彼女はやっていて、びっくりした。あれでよく声がでたなと。。。たぶん10年後歌えなくなってたと思う。彼女の歌は確かに媚びてなくて、精神的に若い女性とも思えない凄みがあって、別次元に聞こえた、彼女の曲も彼女の色に染まってて、ほんとうに貴重な存在だったんだと思った。
このドキュをみていたとき、オペラのカルメンを思い出した。彼女は似てるようで似てないけど、似てるところはほんとによく似てた。実体験しか音楽にできないエイミーは、自分の意志であの波乱万丈な人生を選んだのかとも思えてしまう、、、違うけど。でも彼女の気質は彼女のあの運命を自分から引き寄せてたところがあると思う。そこはカルメンにすごく似てる。そしてそう考えるとカルメンという役は果てしない。若くて美しい女性だけど、ものすごい気質で誰も理解できない、すごく頑固だけど弱さがある、、、あの目力の強さは彼女の気質を本当に理解してないとできないと思う。いつか絶対にやりたい役。