マシュー・オーコウィン作曲のエウリディーチェがHDシリーズで公開になりました拍手

 

作曲のマシュー・オーコウィンはなんと1990年生まれ。若い・・・驚き
 

今年2月にライブビューイングでご覧になった方も多いかもしれませんが

コンテンポラリーってメロディーわかりにくいしつまんなそう、というイメージが覆る楽しい作品でしたひらめき電球

 

 

題材は、オペラでは定番のオルフェオとエウリディーチェ(アメリカ的発音ではユーリディシー)の伝説。

音楽家のオルフェオが亡くなった新妻エウリディーチェを地獄まで取り返しに行き、音楽で地獄の神ハデスを感動させることで連れ帰ることの許可を得るものの、地上につくまで決して振り返ってはいけないという約束を破れず、結局エウリディーチェを失ってしまう・・・というアレです。

 

脚本は現代的でわかりやすくてコンテンポラリーならではの面白さがありますし、

音楽も、全体にはモダンながら、メロディーがあるアリアらしいアリアもあります。

こちらは地獄で一度現世のことを忘れていたユーリディシーが、父の助けでオルフェオを思い出して歌うアリア「This is what it is to love an artist」。普通に美しい乙女のトキメキ

 

 

 

キャストですが・・・

  • エウリディーチェ:エリン・モーリー
    モダンな音楽も聴きやすいし、アリアはアリアらしい。
    レチタティーヴォでの演技も自然です。
     
  • オルフェオ:ジョシュア・ホプキンス&ヤクブ・ユゼフ・オルリンスキ
    オルフェオはジョシュア・ホプキンスとヤクブ・ユゼフ・オルリンスキの2人1役。
    せっかく面白いのに聞かせどころが少なかったような・・・
    欲を言えばこの2名(あるいはユーリディシーを加えた3名)の重唱がもっと欲しかったニコニコ
    カウンターテナーに疎いのですが、オルリンスキ氏はイケメンだし側転できちゃうフィジカルだし超逸材ですね目

 

演出はメアリー・ジマーマン。お得意の幻想的で美しい舞台です。
石役は石の格好をしているし地獄に降りるところはエレベーターになっていたりとわかりやすい。変に象徴的すぎて客の頭を悩ませることがない、バランス感覚が○

 

1幕の結婚式のダンスシーンはコレオグラフィーも楽しい。

 

オペラもウン百年前の名作に頼っていては文化として尻すぼみになってしまうと思うので

今後も楽しい新作オペラに期待したいところです。


【おすすめ度】

現代オペラ入門として、星4つ 星星星星

 

【歌手】

  • 現代的なスコアではあるもののキャストの歌唱が素晴らしいので苦にならない
【演出】
  • メアリー・ジマーマンらしい、独創性があり幻想的で美しい世界。
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DIRECTOR : Mary Zimmerman
CONDUCTOR : Yannick Nézet-Séguin

EURYDICE : Erin Morley

ORPHEUS'S DOUBLE :Jakub Józef Orliński

HADES : Barry Banks

ORPHEUS : Joshua Hopkins

FATHER : Nathan Berg