国宝、芸に生きること | 80歳まで歌い続けたい!

80歳まで歌い続けたい!

中年世代から始めた声楽にはまっています。小説を読んだり、たまに書いたりしています。

先日の度の落穂ひろいです。
後で、見ると結構楽しいので、たくさん載せています。
 

 
 

 
 

 
 

 
 

 

 
 

 
 

この間の記事の商店街より、これを出したかった! 「芙美子通りですよ!」
 

 
 

ロープウェー山頂駅から、この景色も好きです。
 

風鈴が鳴ります。
 

下から見上げた石段!
 

 

やっと国宝について書きます。
でも、ここまで読んでくれる方は少ないかも。
とにかくやっぱり、特別な映画でした。映像ももちろんですが、登場人物の台詞がささりました!
吉田修一は、凄い作家ですね。「悪人」でそう思ったけど。
吉沢亮が、初めて歌舞伎を観て「なんや、怖いな」というセリフ。
舞いも、演技も、舞台は、狂の世界への入り口なんでしょうね。
ずっと後で、逃避行をしつつ巡業を続ける途中、酔客に絡まれ、殴られて、どん底というシーン。
これまでついてきた恋人にも愛想をつかされる。
ホテルの屋上で、一人で自嘲しつつ、舞い続ける吉沢に、
「もう、やめようよ!」と尽くしてきた彼女は叫ぶ!
それでも、踊り続ける男に、
「どこを見てるんよ!」と叫んで、彼女は去ります。
男は現実の女も、風景も、何も見ていない。ただ、自分の世界に入って舞っているだけだから。
そのエゴイズムに気づいたわけです。
 
時間は戻りますが。一人息子の跡取りだった、横浜流星が家出する。
数年たって、吉沢がすっかり跡を治めている。
渡辺謙、寺島しのぶ、吉沢の三人は、先代の墓参りに来た。
ここで、渡辺は「目が見えるうちに、先代の名を継ぎたい。お前が俺の名をついでくれ」
という。自分の息子を跡取りにしたい嫁の寺島は激怒する。
「8年も帰らず、連絡もないんだからしかたないだろう」と渡辺。
それに対して、
「役者いうんは、意地汚いもんやな!」とキレる。
「糖尿で、めえもろくに見えんくせに、襲名したいやて!」
矛先は吉沢にも向かう。
「あんたもあんたや、何もかも、自分のもんにしてしもうて!」
渡辺の死にざまも、すざましい。倒れて血を吐きながらも「幕を閉めるな!」と怒るのだ。
そして死にゆくときに、こころにあったのは息子のこと。
その名前を、連呼されて呆然とする吉沢。
 
まだまだあるんですが、もうひとつだけ。
人間国宝の老いた名優は、今は木賃宿に暮らしているらしい。
「ホンマに、芸だけを残すつもりか」とはマネージャー。
落ちぶれて巡業していた吉沢は、この国宝の田中ミンに呼ばれて、扇子を授かる。
「私には、みんな、見えるんだよ、さあ、舞ってみなさい」(だったと思う)
「ここには、美しいものはなにもないだろう?」
「いいんだよ、これで。って言ってもらっているみたいで、ほっとするんだよ」
この国宝の、口添えで、再び歌舞伎の世界に戻ることができた、ということだろう。
 
いろんな場面が、残っている。僅かワンカットで、何かを表す技の素晴らしさ。
ストーリーの面白さ。歌舞伎の場面の、リアルで息苦しいほどの臨場感。
芸に生きるとは、どういうことなのか。痛いほど刺さる映画でした。
また何か書くかもしれません。
 
ただ、3時間はちょっと長かったかな。ラストの舞は、迫真とはいえあそこまで長くなくても良いように思いました。
トイレが近いので始まる前に行ったけど、
お腹がすくのもいやなので、少し珈琲とビスケットを持参したのね。
それで、やっぱりあと30分くらいの、あたりから、トイレが気になってしまった。
近くのミニシアターで観たし、遅くなったけど、、観て良かったです。