マルカントワーヌ・シャルパンティエ(1643-1704)
 『メデ』
構成:プロローグと5幕
初演:1693年12月4日パリ、王立音楽アカデミー
台本:仏語/トマ・コルネイユ
原作:ギリシャ神話(イアソンとメデアの物語)


シャルパンティエは、オペラ界を牛耳っていたリュリにより、創作の舞台を奪われた人たちの中でも最大の犠牲者と言ってもいいような人物だそうですが、リュリの死後、満を持して完成させただけのことはあるように感じました。凄い、強烈です。
クリスティの素晴らしい演奏。きびきびとした古楽器は勿論のこと、流れがまた大変素晴らしいです。歌手も充分、万全といった感じを受けました。

クリスティ自身が最も感動した作品の一つである「メデ」の旧録音(1984年)は、LP3枚に収めるためにカットせざるをえなかったそうですが、この再録音はノーカット版となっています。
古楽器アンサンブル&合唱団の名称になっているレザール・フロリサンて、シャルパンティエの牧歌劇『花咲ける芸術(Les Arts Florissants)』からきてたんですね。クリスティはそれほどまでにシャルパンティエが大好きだったんですね。


『メデ』 (3CD/対訳付き)
メデ(コルコスの王女)…ロレイン・ハント(S)
ジャゾン(テッサリアの王子)…マーク・パドモア(T)
クレオン(コリントス国王)…ベルナール・ドゥレトレ(B)
クレユーズ(コリントス国王の娘)…モニク・ザネッティ(S)
オロント(アルゴスの王子)…ジャン=マルク・サルズマン(Br)
ネリーヌ(メデの侍女)…ノエミ・リム(S)
クレオーヌ(クレユーズの侍女)…イザベル・デロシェ(S)
アルカス(ジャゾンの侍従)…フランソワ・バゾーラ(B)
コリントス人たちの一団/Troupe de Corinthiens.
アルゴス人たちの一団/Troupe d'Argiens.
愛の神に変装した小柄なアルゴス人/Un petit Argien, deguise en amour.
愛の神に囚われた人たちの一団/Troupe de Captifs de l'Amour.
悪魔の一団/Troupe de Demons.
ほか
レザール・フロリサン
ウィリアム・クリスティ(指揮)
録音時期:1994年5月(パリ、サル・ベルティエ)
収録時間:61’14+74’40+58’47=194’41

鑑賞:2015年5月