アルフレット・シュニトケ(1934-1998)
 『愚者との生活』(全2幕)
  Life with an Idiot
台本:ロシア語/ヴィクトル・エロフェーエフ
作曲:1990-1991年10月
初演:1992年4月、アムステルダム

祝!シュニトケ生誕80年(^O^)/

ウィキによると、「愚者との生活」は直訳であり、もっともらしい訳は「バカと暮らして」、とあります。
仕事で失敗した<私>が、その罰として愚者を一人、家に引き入れて一緒に生活することを課せられるお話し。
愚者のヴォーヴァ役には歌詞が「エッフ!」しかありません。「(粋に)エッフ!」とか、「(夢心地で)エッフ!」とか、「(悲しげに)エッフ!」とか、いろいろです。「(幸せそうに)エッフ!(長い時間、とても嬉しそうに歌う)」なんていうのもあります。歌詞は勿論全てエッフ!です(不気味)。

そんなヴォーヴァと一緒に<妻>も<私>も、いつしかエッフエッフと歌いだしてしまったりと、よく分からないようなお話しですが、ヴォーヴァとはレーニンのニックネームで、ソ連の共産主義や官僚主義を痛烈に批判しているとのこと。その愚者役のハスキンはレーニンに似てるそうです。

あからさまに性を描いています(ヴォーヴァと<妻>、スウェーデンのマルメー歌劇場での2004ライヴ映像の一部で確認)。リズムに乗ったおぞましげな音楽とエッフエッフの大合唱。<妻>の声との絡みが強烈です。

更にヴォーヴァは<妻>の夫の<私>とも関係を結んでしまいます(これはあらすじには書かれていますが、対訳のト書きには書かれていません。前の場面もそうです)。映像での確認は出来ませんでした(汗)
終幕の最後、ヴォーヴァは<妻>の首を花切りばさみでちょん切り、首のない妻と踊ったりもします(これはト書きあり)。妻はその後、歌いもします。


『愚者との生活』 (2CD/対訳付き)
私…デイル・デュージング(Br)、ロマン・ビショフ(Br)
妻…テレサ・リングホルツ(S)
ヴォーヴァ…ハワード・ハスキン(T)
看守…レオニード・ジムネンコ(B)
マルセル・ブルースト…ロビン・レッグゲイト(Br)
ヴォーカル・アンサンブル
ロッテルダム・フィルハーモニー管弦楽団
ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ(チェロ、ピアノ、指揮)
録音場所:アムステルダム・ネーデルランド・オペラでの世界初演ライヴ(演出はポクロフスキー)
録音時期:1992年4月16-26日
録音時間:45’15+68’19=113’34