小さい頃、小学校一年生くらいまでかな。

高熱でウツラウツラしている時に見たあの夢。

まぶたの裏に巨大な入道雲のようなものが出てくる、いや、入道雲のように輪郭がはっきりしていない。

色は灰色で、不気味な大きな。

子どもの私はそれに向かって、手刀で切りつける。「不気味なもの」は二つに分かれるけれど

また、モクモクとふくれあがって一つにまとまってしまう。

私はまた手刀で切りつける。「不気味なもの」はまた二つに分かれ。。。

ハッと、夢から覚めると体は相変わらず熱く、熱が下がる気配はない。

 

いつ頃だろうか、この夢は見なくなった。

老年になった今でも時々この夢のことを思い出す。

もう一度あの夢を見たいけれど、高熱はぜったいに嫌だな。