
年末関東地方は移動性高気圧に覆われて穏やかな日々が続いていた。絶好の登山日和だ。
2014年初の山行は元旦で赤岳で予定を立てていた。山頂直下と文三郎尾根が難儀するだろう。
31日夜のニュースで天気図をチェックすると北海道の西で低気圧が発達するらしい。
西高東低の天気になると信州の山は大荒れだ。恐らく1日中曇りで午後から雪であろう。
せっかく出かけるのなら青空の下を歩きたい。赤岳は次の機会にして冬に一度登ってみたかっ
た男の「甲武信ヶ岳」に予定を変更した。
行程
道の駅みとみ(6時36分)→徳ちゃん新道登山口(7時10分)→戸渡尾根分岐(8時50分)
木賊山(10時29分)→甲武信小屋(10時50分)→甲武信ヶ岳(11時8分)
甲武信小屋(11時36分)→破不山分岐(12時2分)→戸渡尾根分岐(13時34分)
徳ちゃん新道登山口(14時51分)→道の駅みとみ(15時20分)
距離15.7km 総移動時間8時間44分(休憩時間含む) 累積標高1662m 平均速度1.8km
赤予定ルート 紫GPSログ
勝沼ICから道の駅みとみまでの道には雪は残っていなかった。明け方なので凍結には気を付
けなければならない。赤岳の出発時間で家を出たので、みとみには6時に到着した。今日は冬の
装備だ。ハードシェルジャケットを着たりゲイターを付けたりしたら30分など直ぐに過ぎてしま
い夜が明けた。
張りつめた冷たい空気の中、西沢渓谷を歩く。今日も慣れている徳ちゃん新道だ。
登山口でアイゼンの装着に悩んだがそのままツボ足で歩くことにする。標高が低いとことでは
雪はまだ少ない。早朝は寒かったが登り始めると汗が出てきた。ジャケットを脱ぐことを考えたが
上空で風が強く吹いている。ジッパーを下しそのまま歩き続けた。
凍っている個所は少なくアイゼンの付け所が難しい。このまま歩くことも可能だが転倒はしたくない。
甲武信小屋からの登山者がだいぶ下ってきた。足元を見ると12本アイゼンやら軽アイゼンやら
何もつけていないグループも見られた。分岐で12本アイゼンを装着した。
天気は大当たりで青空が広がっている。しかしいつもの開けた地点で富士山を見ることはでき
なかった。甲武信ヶ岳山頂まで天気は持ちそうだ。戸渡尾根は夏道がきついのだから、冬道は
それ以上に厳しくきつい。
分岐から次の尾根に乗り木賊山に到着した。体を冷やさないようにタオルを使い汗を拭いた。
甲武信ヶ岳と三宝山が見える開けた地点でトレースが無くなっていた。あれ程の登山者とすれ
違ったのに風で吹き飛ばされたのか。強風が吹き荒れて一気に体温が下がった。少し寒い。
勾配は予想より急でなく凍り付いてもいない。沈み込んだが慎重に歩けば問題はなかった。
しかし帰りは巻き道にしよう。
山頂に到着した。風は少し収まってきたが人が誰もいない。登山者はどこに行ったのだ、少
しおかしい。時間が掛かったがまだ安全に戻れる時間だ。金峰山や瑞牆山が見渡せたが
厚い雲に覆われていて、八ヶ岳や南アルプスは見えなかった。
本当は埼玉県最高峰の三宝山まで登る予定だった。この先は歩いたことがない。地形図では
急勾配は確認できないが近くに見えて遠そうである。三宝山は断念した。
山頂でカップ麺を食べたかったが誰もいないのがどうも安心できない。コーヒー淹れてクリーム
パンを食べて出発した。
巻き道はトレースがしっかり付いていたが、雪の量は多く足が取れれそうになる。
一瞬バランスを崩したときに右足のひざの上が攣りそうになった。ここが攣ると非常に痛い。
叩いて攣るのは持ちこたえた。登りの時一瞬傷んだがこの辺りから右ひざいっぱいになってきた。
巻き道から登り返し戸渡尾根に出た。あとは下るだけだ。すぐの展望地点で風が収まったのを
期にここでジェットボイルでお湯を沸かしカップ麺を食べた。ジェットボイルの火はギリギリ点火した。
西沢渓谷で食べても良かったが徳ちゃん新道の下りは長かったので正解だった。
分岐で12本アイゼンを外してチェーンスパイクに交換した。永遠と下りが続く。顔がヒリヒリ
してきた。雪の反射で日焼けをしたようだ。今更日焼け止めを塗っても仕方がない。
長い下りが終わり西沢渓谷から道の駅みとみに到着した。

試練の山行になってしまったが、ここはトレーニングコースだ。
