人の記事を見て

刺激されて書く、というのが

多いですが、今日は「マスクが

子どもたちの顔認識にマイナスの

影響を与えている」というのを

見ました。

 

赤ちゃんのリサーチなどで

あるのですが、人間は2つの目+口

という、いわば「3つ丸のある状態」

みたいなものを顔と認識する傾向・

能力があります。

 

街中などで「あれ、顔に見えるわ」

というものに遭遇したことが

あるのではないでしょうか。

 

 

(「顔」に見える例。これは湯豆腐用の「おたま」

なのですが。明らかにデザイン上も顔を意識している??)

 

 

そして、人間の顔は「3つの丸」

なだけではなく、表情があり、微妙に、

あるいはときに大きく動きます。

 

言葉なども口元や顔の表情を

伴って学ばれますし、

コミュニケーションを通じて

自分や人の感情についても学んでいます。

 

つまりは、顔(口)つきの

コミュニケーションの方が理解度、

完成度が高いのです。

 

顔はまた「その人が誰であるか」という

アイデンティティの一部です。

人を識別するという意味での

アイデンティティは、「顔+名前」

から始まると言ってもいいでしょう。

(内面的なアイデンティティはもっと

複雑ですが。)

 

・・・となると口のない状態は

アイデンティティとしてなにかが

欠損した状態、とも言えるかも

しれません。

 

給食の黙食などもつづきましたし、

主観としては「よく分からない人たちに

囲まれて学校に行っている」

というようなことになってしまっている

のかもしれません・・・

 

一番心配なのは「臨界期」のような

ものがあったら、ということです。

(臨界期とは、発達心理学上は

「この年齢ごろまでにこれが学ばれなければ

ならない」という限界のことです。)

 

同様の問題で、「スマホ育児」的な

ものも、年齢が低ければ低いほど

推奨できません。

(アメリカ小児科学会では2歳まで

テレビなどを含むいっさいのスクリーンを

推奨していません。これは、「奥行き認知」

というのや、対人コミュニケーションが

大切なためだと思います。)

 

スマホはあくまで平面、

たとえば見ているものでとりあえず

暇がつぶせて大人しくなったとしても、

やはり家族など人間が

相手してあげるのとは全然違います。

 

子ども、特に小さい子は気持ちが

刻々と変わりますから、それを

見守って相手してくれる人がいてこそ、

自分のさまざまな「心理的状態」を

受け止めてもらったと満足できて、

その意味で落ち着いた子になって

いきます。

 

話はマスクに戻りますが、

乳幼児、学童などに限らず、

マスクをしてしか周りの人と接して

こなかった大学生や新入社員なども、

同様の困難さはあるのでは、

と思われます。

 

これからでも、できることを

やっていくしかなく、

「回復」が望まれるところです。

 

・・・と書いてきましたが、

くれぐれもマスクを外したくない

という子どもから無理やりマスクを

はぎとることのないように、

というのも注意が必要かと思います。

 

現在は「マスクをした顔」が

アイデンティティになってしまっている

ところなので、「マスクをしていない

(=口元が見える)顔がアイデンティティ

になるよう、移行していく、

ということになります。

 

こうした移行のプロセスは人(子)による

ので、時間を要しない人もいれば、

時間がかかる人もいるのです。

 

(HPにも関連記事を書きましたので、

良かったら合わせてお読みください↓

マスク生活で子どもたちの顔の認識能力に影響が出た? | オープンマインド (openmindpsy.com)