カウンセラー(セラピスト)になりたい
人、またはすでにある程度やっている
人にとって一番重要なことは
なんでしょうか?
それは、「個人分析」ではないかと
思います。
それはプロと会い、時間をかけて
自分を知り、自分の過去や傷などを
整理しておく、ということです。
全部「解消」する必要はないかと
思いますが、
知っておかないとそれを
他人(つまりお客さん、患者さん)に
「転化」してしまう怖れすらあります。
(いわゆる投影というメカニズムです。)
いわば病気や障害を作り出してしまう
状況です。
癒やしが本末転倒になってしまいます。
「教育分析」と言うこともあり、
しかしその場合は教育やトレーニングの
一環として、というニュアンスが
強いかと思います。
米国の専門大学院・専門課程などでは、
4~5ヶ月(16回~20回)くらいの
教育分析を義務としている課程も
見かけることが多いように思います。
が、それではもっと長丁場のもの
(2,3年越えとか5,6年越えとか)には
対応できません。
個人分析を受けることは、実際に
どういうことが(臨床の場で)
起こりうるのかといったこと、
またそのセラピスト・臨床家を
モデルとして、スタイルを学んでいく
格好の「場」ともなります。
もちろん、人は一人一人違うので、
最初はその人のスタイルを踏襲
したとしても、だんだんと
自分のスタイルややり方を
確立していくことになります。
その後も、スーパービジョン(SV)や
コンサルテーションなどを
受けて行くことは可能ですが、
SVはケース中心ですし、
自分の問題はより扱いにくいことを
考えると、できればキャリア早期に
個人分析を受けられるとよい、
ということになります。
アメリカのよく名の知られた
精神科医・アーヴィン・ヤロムも、
個人分析(心理療法・精神療法)を
もっとも大切なこととして
挙げていました。