日本の「ものづくり」は安泰ではない | 四谷で働く社長のブログ

日本の「ものづくり」は安泰ではない

「日本の○○は安泰だ」と言っているもの、言われているものほど危ないのでは?と思ったほうが、真実に近いと思います。人間最大の敵は思考停止ですから。
したがって、日本の製造業は強い、とか、良いものを作っていれば必ず売れるとかいう類の発想もほとんど「迷信」に近いと思います。

日本の製造業の層の厚さは世界に冠たるものですが、その頂点にはどんな業種が君臨しているでしょうか?
・・・そう、自動車産業です。

自動車産業のキモは、何といってもエンジンやトランスミッションをはじめとした、超複雑な機構を大量に生産してしまうところにあります。そのために高度な工作機械、複雑な動きをするロボットが大量に備えられて装置産業を潤し、電装系などの要素部品の専業メーカに大量の発注が出され、それがさらに下請のメーカに出され・・・巨大な産業ピラミッドが形成されてきました。

しかし、もしこれが電気自動車にとって代わったらどうなるでしょう?

自動車という複雑な構造物がとても単純になります。特に、エンジンやトランスミッションは要らなくなります。なので、工作機械やロボットの需要は激減するでしょう。ゼロになることはないと思いますが。

また、部品の点数が激減します。なので、多くの自動車部品専業メーカが淘汰されることでしょう。内装、シート、硝子、タイヤなどは電気自動車になってもあまり変わりませんが。

さらに、自動車本体の組み立てが簡単になり、大規模工場でなくとも可能になります。新規参入も容易になることでしょう。現に、中国では電気自動車に参入する名もない企業が引きも切らないそうです。これを「スモールハンドレッド」と言います。

こうしてみると、自動車を頂点とする産業ピラミッドは半分以上崩壊するのでは?と思って行動しておいたほうが良さそうです。3年生になる私の息子は機械やメカが好きで、「将来は自動車を作る人になりたい」と言っていますが、どのようにねじ曲げようかと今から腐心しております(笑)。

製造業の姿は大きく変わることでしょう。大企業の下請という状態ではいよいよ安穏としていられません。元請自体がなくなるかも知れませんから。そうではなくて、消費者の欲するものを、どんなものでも、即座に作って届けられる柔軟性、あるいは地域コミュニティに密着した「あなたの街の町工場」といった形態への転換が求められるのではないでしょうか?

そこで重要なのはコミュニティとそれをつなぐネットワークです。

インターネットが果たす役割はますます重要になりつつあるわけです。