スタイリストデビューしてから人気がでる美容師とは?
これにはいろんな理由が考えられますが、その中の
一つとして確実に言えることがあります。
『アシスタント時代にシャンプーが上手な人』
これ事実です。
最近ではあまり耳にする事が無くなった
『シャンプー指名』
どうせシャンプーしてもらうならあの子にやってもらい
たい!というお客様は昔は結構いらっしゃいました。
また、これがアシスタントとしては一つの誇りであり、
同期で競い合ったもんです。(まれにチップを頂くこと
もあったんですよ。お給料が少なかった自分達には涙
が出る程嬉しかった)
で、理由としては、
「どうやったら、さらに気持ちのいいシャンプーを
提供出来るだろうか? と常に考えている」
という点です。
好みの強さ、お湯の温度、リズム、強弱....
外の気温、お客様の体温、パーマやカラーの前と後
での体感温度の違い等々。
これらはお客様の額を見ていれば分かる事も多い
んです。
(痛かったり、熱かったりしたら一瞬シワがよります
よね)
「常にどうすればお客様に満足して頂けるか?」を考え、
工夫する事が出来るアシスタントはスタイリストになっ
てからも「どうやったらより良い質感をカットやパーマで
出せるか?
目の前のお客様は何を求めて来店されたのか?」を考
える力が自然と身に付いているのです。
私たちが行っているのは、「作業」ではなく「サービス」
なのです。
たかがシャンプー、されどシャンプー。
長時間、滞在するサロンで数少ない、気持ちよく過ご
せる時間がシャンプー中です。
そのエリアのプロとしてアシスタントには誇りを持って
頂きたいと思います。
「カットはいいけどシャンプーが気持ち悪いからあのサ
ロンには行く気がしない。」
と思われてはだめなのです。
かく言う僕もアシスタント時代に一度だけ先輩スタイリ
ストからシャンプーに関して責められた事があります。
「さっき帰られたお客さん、シャンプーが雑だって怒って
たよ。長年指名して頂いたお客様だったのに、もしこれ
で失客したらあんたを許さないからね。」
胸に刺さりました。
自分のせいでスタイリスやお店に信頼に傷を付けてしま
ったかもしれない。
やはり自分達が携わっているのは感情を持った人間なん
だ。 当たり前すぎる事に気付いた瞬間でした。
お店が忙しい。
体調が悪い。
お昼をまだとっていない。
昨日あんまり寝ていない。
全てお客様には関係ない事。
お客様はキレイになるために来店されているのであって、
スタッフの体調を心配する為に来店されているんじゃない。
僕たちはカット(シャンプー)するプロです。
お客様はカット(シャンプー)されるプロです。
在店中は以前に行った事のあるサロンと無意識に比較
しながら過ごされているのでしょう。
その経験値を越さなければお店のファンになって頂く事
はないのです。
それぞれのセクションでそれぞれがプライドを持った仕
事が出来ている事が強い組織の証なんだと思います。