長野県富士見町の
国道20号線の山梨県との県境の
通称「国堺橋」の所を東側に上ったところに
私が以前土木工事で担当した
用悪水路の工事現場がある
ちなみに用悪水路とは
ある種の農業用水路の名称である
これは以前他の業者が工事した現場で
その農地より4mも高いW=350のU字溝の水路が
法面に味噌土があったために崩壊したもので
全線修復の工事で長さは360mであった
この工事の終盤にかかった時の夕方
60歳前後の農家のおばさんが通りがかり
向こうから話かけてきた
格好はあきらかに農家の年輩の主婦である
「えらい早く工事が出来たねー」と
ほめてくれた
その顔が印象的だった
もう皺が出ているような顔だったが
話し方や声
そして顔の表情や
目の光が知的だった
もう美人とかいう表現ではないがー
人生の辛苦を経てきた
ある知的な人格をもった
年輩の母性を感じさせる御婦人だった
いまからもう10年も前の話で
決してもう一度会いたいというのでもないがー
そういう女性が理想だー と思いながら
その現場を彷徨するのである