「退職したら本当に空が青く見えるぞ」と先輩のだれかが言っていた。町会議員への出馬要請を断り、家内とオーストラリアの旅に出かけた。ゴールドコーストの空と海はまさに紺碧のブルーだった。
 あれから二十年、来年は八十歳になる。平均寿命も超えた。「好奇高齢者」と名乗って毎日を読書とインターネットに明け暮れているが、この二十年間に自分は一体何をやってきたのだろうかと思うことがある。
  退職生活は、英検実施委員(安芸会場)から始まった。日本語教師(奈半利町企業外国人研修生に)、英会話講師(高知市で)、「外国青年招致事業」担当者 (田野町地教委)、保護司(安芸保護区)、町内地区会副会長、納税組合地区長、浄土真宗大谷派末寺総代、教職員友の会支部長.事務局長(安芸支部)、退職 互助会世話人(田野町)等々、、まずはこんなものかな?現在では殆どを整理し末寺総代だけになっている。海外旅行をもう少しやりたかったなあと思う。
  ほかの人たちがあまり経験しないような体験もあった。国際保護司研修会(平成十年五月)に参加し外国の刑務官や保護司などと交流できた。東本願寺の住職修 習(平成十三年三月)では帰敬式を受け法名を頂いた。生きがい支援アドバイザー養成セミナー(平成二十一年十月)にも参加したが、学習内容をその後活かせ なかった。保護司歴十六年で法務大臣表彰を受け式典(平成二十二年十月)に参加した。表彰してくれた民主党の大臣は失言ですぐ職を失った。
 退職 後始めたインターネットの思い出も多い。まずEメールの速さと有用性に驚いた。来日する外国青年との連絡が非常に迅速にできたのだ。メイリングリストによ る見知らぬ人たちとの交流、それらで知り合ったネット友達とのオフラインミーティング(ロンドン在住の日本人も帰国の際にわざわざ田野まで立ち寄ってくれ た。何度か上京した時も歓迎会を開いてくれ、また会食もともに出来た。四国遍路に来た幾人かのメールフレンドとも度々会食した。)は楽しかった。現在で は、ブログもやっているが、ソーシャルネットワーキングサービス(「ミクシー」や「趣味人倶楽部」)、スカイプ、フェイスブック、ツイッターなどでほとん ど毎日のように誰かと交流している。
 晴耕雨読じゃないけれど、読書にもずいぶん時間が取れた。英語関係書、サイエンスフィクション、推理小説、分野を選ばず読みまくった。気分転換には中老年男性が活躍する小説を読むのが最高だ。
 ☆ 那須正幹「ズッコケ中年3人組」(2005年~2012年)シリーズ8巻、 それ以前にも「ズッコケ3人組」(1978年刊)がある。
 ☆ 筒井康隆「私のグランパ」(1999年刊)菅原文太石原さとみ主演で映画化されている。
 ☆ 重松清「定年ゴジラ」(1998年)(2001年、続編となる「帰ってきた定年ゴジラ」を追加収録し、文庫に)
 ☆ 竹内真「じいさん武勇伝」(2002年)他書と比べてちょっと落ちるが、、。
 ☆ 有川浩「3匹のおっさん」(2009年)「3匹のおっさんふたたび」2012年)
 ☆ 浅田次郎「ハッピ!リタイアメント」(2009年)
 ☆ 最近読んで印象に残っている小説は、水谷豊と伊藤蘭主演で映画化された妹尾河童「少年H上巻」(1997年)「少年H下巻」(1997年)である。
  そろそろ「就活」(これを取り上げた浅井リョウ「何者」も面白かった。)ならぬ「終活」を考えなければならない年齢である。さて、遺言をどうするか、終焉 までの日々を何年計画にしたらいいのだろうか?いろいろと考えなければならないことは多い。しかし今後共「好奇高齢者」であり続けたいとは思っている。
 
(*^▽^*)ノイイヨネ!