砦なき者 野沢尚著 講談社文庫¥590 | おぺ~の読書日記

おぺ~の読書日記

【本を読んでの感想や、その作品に対する思いなどをつづっていければと思います】

だったのですが2008年11月に娘を出産。すっかり“おぺーの育児日記”になっていますがタイトルはそのままで。

本を読んだ後、いい作品に出会えると誰かにその感想を伝えたくなります。
ただ、自分の興味のない作品の話を延々とされるのは、いい迷惑。
それはわかっていても、伝えずにはいれないこの気持ち…。

と言うわけで、ブログで感想をぶちまける事にしました。

今日読み終えたのは、野沢尚「砦なき者」
長編小説と思って買ったのですが、1・2作短編が続き、
その伏線を踏まえて残り2作が繋がる、と言った形でした。
しかも、最初の話は私が昔、別の短編集で読んだ事のある、
かなりお気に入りの話でした。
その続きとも取れる3作が詰まった話なので、引き込まれて一気に読みました。

テレビ局を舞台に
1話目は「私は今夜殺されます」と宣言する女
2話目は「限りなく黒に近い容疑者」
3・4話目は突如現れたカリスマ青年
とディレクター赤松の攻防や心理戦が見事です。

テレビを見ているだけの人間にはわからない、テレビを作る世界の人たちの
苦悩も伝わって来ました。
私も気を付けなければ。テレビを盲目的に信じちゃいけない! とは思っていても、
ついついニュースを鵜呑みにしてしまうので。

普通の人の作品なら何も感じないけど…。
「見えない視聴者」と言うモノに、飲み込まれてしまったのかな
と思うと残念です。
野沢尚作品のなかでは、「深紅」に次ぐヒットです。