イタリアには20年前に一度行ったことがある。

 海外旅行に行くチャンスは二度とないかもしれ

 ないから一番行きたい所へ行こうと考えた。

 ニューヨークかイタリアかで迷い、イタリアを選

 んだ。

 一番の目的はミケランジェロの丘からフィレンツ

 ェの街をスケッチする事。心細かったが「死ぬこ

 とはないやろ」とツアーのバスから独り離れ、ミ

 ケランジェロの丘でスケッチしているとイタリア

 の北部から来たという若者が話しかけてきて、

 パンとバナナをくれた。

 スケッチが終わり、路線バスを使って家族との

 待ち合わせ場所のサンタ・マリア・デルフィオー

 レの前へ。

 無事家族と会えてホッとしたが、それより写真で見

 てフィレンツェにあるのは知っていたが、ピンク色

 の大理石が輝くドーモォの前に立つと「本当にあっ

 たんや!」という思いがこみ上げてきたのが忘れ

 られない。

 金細工製品を扱う店が集まっているポンテベッキオ

 も通ったが絵は描けなかった。そのポンテベッキオ

 を長年ご指導してもらっているY先生が描いてはっ

 たので、是非同じアングルで描きたいと思った。

 ネットで検索するとほぼ同じ構図の写真が見つか

 り、描いてみた。

◇Y先生には毎月のスケッチ教室でお世話になってい

 るが、2月は奈良町の町並みを描いた。1月に教えて

 もらった屋根の角度に気をつけて描く。

 スケッチ教室後の講評会は「K庵」の茶房で。焼きた

 ての銘菓Sとほうじ茶のセットを注文すると、茶葉の

 入った急須にはお湯が入ってなくて、お湯の入ったポ

 ットが別に出てきた。淹れ立ての熱くて美味しいお茶

 を飲んでほしいというお店の人の配慮がうれしかった。

◇昨日は私が長年勤めたD市の退職教職員会の音楽

 イベントがあり、私もピアノでジャズの名曲「With malice

  toward none」(リンカーンの演説の名言「誰にも悪意を

 もたずに」)を弾いた。

 腕が痛くなるほど練習して臨んだが、あがってしまって

 ボロボロ。

 雨が降る中、家に帰って「もう出るのはやめておこうか」

 としょんぼりしていると、会場にいた元同僚の人からラ

 インが届いた。

 「Y先生(私のこと)が弾かれた曲、ステキでしたね。ホテ

 ルのバーで飲みながら聴いてる感じでした・・・今日はス

 テキな曲を聴かせていただいて、ありがとうございまし

 た。」

 落ち込んでいた心が癒やされ、失敗してもいいから来年

 もチャレンジしようという気持ちになれた。