◇京都には高校に入る時に引っ越し、4年間住んだ。

 私が今愉しんでいるJAZZ、絵、おしゃれ、珈琲等に出会ったのはこの

 4年間で、今の私の半分以上は京都という街が育ててくれたと言えるか

 もしれない。

 JAZZは高校の同級生にBALの横の細い道の奥にあったJAZZ喫茶「ブルー

 ノート」に半分無理矢理連れて行かれたのがきっかけになって聴くように

 なり、今ではジャズピアノを習うまでになっている。大学時代はその頃の

 京都に数多くあったJAZZ喫茶によく行った。一番すきだったのは「BIGB

 OY」で、「MAN・HALL」「シャンクレール」「蝶類図鑑」なども好き

 だった。

 

 絵もその友だちが美術クラブにいたのに影響された。私が入りたかった大

 学の受験科目にデッサンもあったので、その友だちに紹介してもらった教

 室にも夏休みに通ったりした事もあった。

 当時、VAN全盛の時代で新京極にあった「イノハナ」や寺町にあった「ツ

 ルヤ」はその紙袋を持っているだけでなんか優越感を味わえるような店だ

 った。高校時代は小遣いが少なかったので、ウィンドウのディスプレイを

 指をくわえて眺めているだけだったが、仕事をするようになってからは時

 々訪れて気に入った服を購入した。ある年の冬に「ツルヤ」に入るとハリ

 スツィードのハーフコートがどうしてもほしくなり、結構高い値段だった

 が連れ合いに拝むようにして頼んで買ってもらった。それは40年経った

 今も愛用していて、時々「いいコートやね」と人から声をかけてもらう。

 私が買った服で一番のお気に入りかもしれない。

 

 本格的な珈琲を初めて飲んだのは河原町の「六曜社」でだった。先日友人

 に薦められて読んだ『ジュリーの世界』の中に出て来たので、何十年かぶ

 りに訪れたくなった。大学時代、京都YMCAで週3回英会話を習っていた

 ので近くのイノダ本店には時間調整でよく行った。「アラビアの真珠」と

 いう名の濃厚な味わいのコーヒ(イノダではそう表記されている)は今ま

 でで一番多く飲んだ珈琲だ。

◇そういう懐かしい京都でスケッチ会があって、木屋町三条を少し下がった

 所にある旧立誠小学校を描いた。以前から前を通った時に「絵になるな」と

 思っていたが、正面玄関のデザインには絵心をかき立てられたし、高瀬川

 にかかる古い橋、桜の木の下に咲く紫陽花もいい感じだった。

 脚が不自由でなければ「六曜社」や「イノダ」、蕎麦の「大黒屋」などに

 寄ったところだが、疲れたのでまっすぐ帰った。近いうちに訪れたい。