いつか誰かが殺される(1984年角川春樹事務所・東映) | 映画バカ一代~観らずに死ねるか~

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映画に関する想いのたけをぶちまけますね。辛口で行きます。たまに甘くなりますが。

角川三人娘(薬師丸ひろ子・原田知世・渡辺典子)の一人

渡辺典子の主演2作目。1作目はかなりセリフ棒読みだったが、

今回はどうか?青春ミステリーの大家赤川次郎原作。

 

 

 

 

 

あらすじ

守屋敦子(渡辺典子)は18歳の高校生。

新聞記者で多忙な父親陽一(斎藤晴彦)から久しぶりに渋谷で食事の誘いがあり、

還りに高良(古尾谷雅人)の店で洋服を買ってもらうことになったが、

敦子が試着中に陽一が姿を消す。やがて敦子の周りに怪しい人々が

現れるようになり、敦子は高良たちは集団生活をしている倉庫で

高良の妻梨花らのグループに身を寄せる。

 

重要な点

崔洋一監督が描く、国際諜報の世界と柔らかな繋がりの高良たちのグループの対比

が面白い。どちらも相いれない価値観だが、温かいグループに魅力を感じた人は多いはず。

伏線としてお金持ちの食事会があるのでそちらはうまく外されて肩透かしを喰らったが

最期に全て繋がるところは納得がいった。

 

良かった点

渡辺典子は流石に棒読みは減ってきていたし、

バンドでギター片手にジャニスを熱唱するのは面白かった。

本職は歌手の白竜(今は俳優が本職かなぁ)との

デュエットではあったが『そう来たか』という感じだった。

白竜はまだ強面ではなくただの若者だったが

歌は流石に上手いし、演奏シーンは素晴らしかった。

 

悪かった点

誰が悪いのか良くわからない話ではあるが、

ウクライナとロシアのように諜報機関には一方的な正義

というのはないものだと実感。

ミステリーではあるが謎ときの要素が少ない面白い作品だった。

渡辺典子の成長が見られたところが収穫か。

古尾谷雅人や松原千明といったいい役者がいい仕事してます。