2017年に鬼才ケネス・ブラナーの監督兼ポアロ役でリメイクされ、
今年は『ナイル殺人事件』が映画化されるなど
クリスティ作品のリメイクの機運が再び盛り上がっているが、
元々は1974年のこの作品から始まっている。
あらすじ
トルコで難事件を解決した名探偵ポアロ(アルバート・フィニー)
はオリエント急行でロンドンに戻ることにしたが、
その日はあいにく満席であった。ポアロの親友で鉄道会社の
重役ビアンキ(マーティン・バルサム)の助力で何とか乗車できた
ポアロは社内で発生した殺人事件を捜査することになる。
重要な点
世界で最も有名なミステリーと言っても過言ではない
アガサ・クリスティーの原作の映画化に挑んだ意欲作。
監督は『十二人の怒れる男』『狼たちの午後』『セルピコ』『評決』
など硬派な社会派の傑作を数多く生み出した巨匠シドニー・ルメット。
犯人知っていて観ていても面白い。(ネタばれを防ぐため詳しくは書きません)
テンポがいいし、謎解きも面白い。ポアロの造形も素晴らしい。
久し振りに観たが中々の傑作。
良かった点
エルキュール・ポアロ役はアルバート・フィニー。
のちに英国で作られるTV版のデビット・スーシェは愛嬌があり
愛すべき紳士像だったが、こちらのポアロは料理にケチつけるなど
毒を吐き、傲岸不遜な人物として描かれているのが興味深い。
それを補完するため、作品でのポアロの相棒となるビアンキが愛すべき人物として
描かれているのが救いか。
悪かった点
とにかく出演者が豪華。
全員が大スターともいうべき名優ぞろいなのが楽しい。
ラストも素晴らしかった。いかにもシドニー監督らしいラスト
かもしれない。(ネタバレ防止のためこれ以上は…)