WOWWOW製作のドラマや映画は良質なものが多いと感じているが、
オリジナルの作品を観るのは初めてかもしれない。
正月からミステリーがマイブームで色々探してみているが
こちらの作品はどうか楽しみだ。
あらすじ
刑事の響(長塚京三)は家のローンと心臓病に苦しみながら刑事の仕事を続けている。
妻からは家を売ることを提案されるがなかなか踏み切れないでいた。
ある晩、森本という男が車に轢き殺される事件が発生する。
森本の妻法子(伊藤裕子)には愛人がおり、
森本に多額の保険金がかけられていることから、
世間ではたちまち疑惑の目がむけられ、
連日マスコミらによってセンセーショナルに騒がれる。
しかし、彼らにはアリバイがあり、捜査は難航する。
その頃、小学生の雅樹は伯母の早苗(西田尚美)の婚約者塚田(谷原章介)のことが嫌いで悩んでいた。
やがて早苗は塚田と結婚するが、早苗も塚田に不信感を抱き、
探偵の河野(仲村トオル)に調査を依頼するがその矢先に早苗は殺されてしまう。
河野は早苗の夫である塚田が法子の愛人であることを知り、塚田に調査するが…
重要な点
宮部みゆき氏の原作は登場人物の財布が主人公であるという独特な視点をもった話しで
連作の短編小説が一つの長編になるという趣のある仕掛けが興味深い。
財布の持ち主がそれぞれ塚田と法子を軸に交わっていくという発想は素晴らしい。
殺人の動機も不自然ではなく辻褄があっていて素晴らしかった。
監督の麻生学は丁寧な仕事で観やすくドラマを組み立てていて好感を持てた。
135分とやや長めのドラマではあるがストーリーが良いので軸がぶれず飽きさせない。
刑事の響、探偵の河野、そして少年の再生の物語である点も爽やかな印象を受けた。
悪かった点
ある意味主役である塚田を演じた谷原章介。大河ドラマでは竹中半兵衛を演じるなど知将のイメージを
こちらでは悪用というかふてぶてしい人物を演じている。(モデルは三浦和義氏?)
ラストはもうひとひねりして欲しかった気はする。
良かった点
それぞれの主役長塚京三、小清水一輝(少年)、仲村トオル、平山あや、
大森南朋、酒井美紀、窪塚俊介。それぞれいい演技でした。