織田信長(1989年TBS・東映) | 映画バカ一代~観らずに死ねるか~

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映画に関する想いのたけをぶちまけますね。辛口で行きます。たまに甘くなりますが。

TBS正月大型時代劇『太閤記』『徳川家康』に続く第3弾。

渡辺謙主演、中島貞夫監督。

お正月は親類の家でこれを観るのが楽しみだった。

ビデオがなかったころは正月は各局映画は名作の放送があり、

それをこたつで観るのが楽しみだった。

 

 

 

あらすじ

尾張の国の豪族織田信秀(千葉真一)は嫡男の信長(渡辺謙)の奇行な振舞いに悩んでいた。

信長は守役の平手中務(若山富三郎)の諫言も聞かず、信秀は真面目な信長の弟信行(坂上忍)を推す

家中の声が大きくなってきたことに悩んでいた。そんな中美濃の斎藤道三(松方弘樹)の娘濃姫(名取裕子)との

縁談がまとまり、信長は道三の後ろ盾を得るが、やがて信秀が没し。葬式での信長の振る舞いに対する

親族からの廃嫡の声に平手が抗議して切腹。信長の孤立無援の戦いが始まる。

 

重要な点

織田信長のドラマの見どころは多いが、前編では時間をかけて廃嫡問題が扱われている。

千葉真一、松方弘樹、若山富三郎、長門裕之といったベテラン俳優がクオリティの高さを維持しながら

遊び心がある演技の応酬が興味深い。松方さんと長門さんのやりとりは明るくてお正月にぴったり。

また羽柴秀吉を演じる黒崎輝がコメディリーフでほっとさせる。

また成瀬正孝がが一途で一徹な柴田勝家を好演している。(武田信玄の高坂弾正も良かった。)

東映のお馴染みの面々がそれぞれ個性を出しながら信長の世界を構成していく演出。

中島貞夫監督の手腕は見事だ。

 

良かった点

今回もヒロインは名取裕子だが時代劇が似合うし、笑顔がとても美しい。

十朱幸代、司葉子、南田洋子、ベテラン女優も輝きを失ってはいない。

かたせ梨乃、藤真利子、加納みゆきも華やかだ。

 

悪かった点

渡辺謙演じる信長は若い頃は激情型で声も大きく、野獣のようだ。

後編に入ると天下人の貫禄というか余裕を感じる演技にシフトチェンジしていく。

安土城完成で完結しているため、ハッピーエンド風なのも良かった。

クライマックスは桶狭間だが、後編では浅井長政と小谷城落城のエピソードが

メインで描かれてその後の武田や毛利攻めはほとんどナレーターだった。

それはそれでありかと思う。