『鬼龍院花子の生涯』『極道の妻たち』の五社英雄監督。
『仁義なき戦い』『二百三高地』の笠原和夫脚本の超大作
二人ともギラギラした作品を創っている映画人なので、
超娯楽アクションというイメージで観てみたら
いい意味で裏切られた。
226事件を描いた傑作に高倉健・吉永小百合の
『動乱』(1980年東映)がありましたが、
それと並ぶ堂々たる王道の傑作。
あらすじ
昭和11年2月26日皇道派の若手将校たちは君側の奸
を排するため決起する。一度は成功したか見えたクーデター
だったが、岡田首相と鈴木従次長を殺害出来なかったことから
急転直下形勢は逆転していく。
重要な点
豪華な出演陣による歴史大作。今では考えられない
昭和・平成の名優が多数出演している。
ほとんど回想シーンだが女優も全て美しい。
五社監督は女性を撮るのがうまく、素晴らしい映像だ。
良かった点
特筆すべきは萩原健一、竹中直人、三浦友和
でしょうか。竹中直人は前半勢いがある芝居が良かった。
三浦友和は後半存在感を増していく。
萩原健一は反乱軍のリーダーの苦悩をよく表現していた。
悪かった点
五社英雄が王道の映画を創ったところに価値がある。
笠原和夫の脚本は前半集団抗争劇の形をとりながら
最後は忠臣蔵のような美しき滅びをテーマにしている。
五社英雄・笠原ペアで『関ケ原』あたり撮って欲しかった。