切腹(1963年松竹) | 映画バカ一代~観らずに死ねるか~

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映画に関する想いのたけをぶちまけますね。辛口で行きます。たまに甘くなりますが。

『切腹』は三池崇史監督市川海老蔵主演の『一命』(2011年)

の元ネタ(原作滝口康彦)の映画であり、時代劇の傑作。

まだ未見だったのでじっくりと鑑賞した。

浪人と仕官している武士とでは経済的な格差がある時代。

しかし現在も正規と非正規との格差が問題になっており

主人公の境遇には身をつまされる思いであった。

侍とは堅苦しい生き方をしなければならないのだろうか?

色々考えさせられた映画であった。

 

 

 

 

 

あらすじ

ある日一人の浪人が井伊家の前に現れた。

芸州藩浪人津雲半四郎(仲代達矢)と名乗る男は

生きるのに疲れ腹を切りたいので藩邸の庭を借りられぬか

と申し出た。対応した家老の斎藤勘解由(三国連太郎)の前で

半四郎は身の上話を始めるが、その内容は。

 

重要な点

この作品は大ヒットして外国でも評価が高かったとのこと。

三島由紀夫も絶賛した作風は骨太の社会派時代劇というか

武士社会の理不尽さを良く描きだしている。

海外では古典的な悲劇美が評価されているとのなので

観る人が変われば評価も変わる作品と感じた。

 

良かった点

仲代達矢は圧倒的な演技で主人公を好演、相手役の三国連太郎も

受けの芝居は流石である。丹波哲郎は相変わらずの存在感だし、

仲谷一郎はやはり脇役悪役どんな役も常に魅惑的だ。

 

悪かった点

壮絶な内容だけに明るい展開がなく、

観終わった後、ドット疲れる映画だった。

それにしても現在この作品の必要性、必然性が

あるのか?そんなことを考えながら観ていた。

骨太の時代劇の復活に期待したい。