僕は変人にせかされるようにして、手近にあった箒を手にして図書館に戻った。


僕より背が低い。

煙は、人の形をとっていた。


黒い煙は、まだそこに残っていた。
より確実な形を持って。


「早く、ひっぱたいてくださいよ」
うるさいなぁ。

僕は恐る恐る、人形煙に箒を叩き込んだ。

しかし、煙はまったく気にしていないようだ。


僕は繰り返し叩き込む。

もう一回
もう一回
もう一回
もう一回

「おい、ぜんぜんきえねぇぞ!」
「仕方ないですね」

変人はため息をついて、僕の元に歩み寄った。
っていうか黙ってみてたのかよ!

「もう少し頭使ってくださいよ」
お前に言われたくはない。

変人は懐から扇子を取り出し、パタパタと煙を散らした。


そんなのありかよ。