村内先生は、中学の非常勤講師。国語の先生なのに、言葉がつっかえてうまく話せない。でも先生には、授業よりももっと、大事な仕事があるんだ。いじめの加害者になってしまった生徒、父親の自殺に苦しむ生徒、気持ちを伝えられずに抱え込む生徒、家庭を知らずに育った生徒──後悔、責任、そして希望。ひとりぼっちの心にそっと寄り添い、本当にたいせつなことは何かを教えてくれる物語。

―――新潮文庫「青い鳥」内容紹介より



村内先生に出会いたかった。そしたら、こんなに拗らせた大人にならなかったかも。
大人になって思うのは、「先生だってニンゲンなんだ」ってこと。先生は神様じゃないから、体調悪い日だってあるし、あんまり好きじゃないタイプの子供だっているだろう。そして、大人になると自分が先生にハマっていたかどうかもわかってしまう。
でも、子供の頃って先生は親より確かで先を行く人で、なんなら神様に近いくらい絶対的な存在だったと思う。怖い先生もいたし、先生の笑顔を見るだけで安心するような先生もいた。
記憶に残る先生。よく鼻血出してた先生。口癖は「帰れ」。あの先生の時だけ図工の授業で私は絵が描けなかった。不思議なことにその先生が担任になった以外の学年の時は図工の時間が大好きだったし、毎回入賞するような子供だった。給食が食べれなくて泣いた時、「そんなに泣いていたら給食がマズくなるから帰れ」と言われて親に迎えにきてもらったことがあった。親には言えなかったな。あの先生は今どうしてるだろうか。