『東日本大震災から明日で3カ月です』
一日中ニュースから流れるこのフレーズ
この日の我が家の夕食はつけうどんだった
晩御飯の食器を下げ
お茶を入れる準備にキッチンカウンターに向かっていると
子供が主人にどなるのが聞こえる
自分はまだ食事中なので
そんな顔をするなと言っている
ハッとして振り向き主人の様子を確認
食卓で座りながら両肘をテーブルにつき上半身を支えている
目を大きく見開きうつむいているその横顔は
尋常でないことが明らかだった
『大丈夫?』と声を掛け
体に手を添えながら後ろのソファーに促すと
左に傾いていく
わずか数十センチの移動が実に危なっかしい
とうとう来たか…と思う自分と
いや、違う病気かもしれないと思いたい自分とが存在する瞬間
だって本人も
『風邪かな?ちょっと頭の右の後ろの方が痛い』
と言ってるし
救急車を呼ぶ必要があるのかしら?
ソファに座らせ安全を確保すると
すぐにチェックを始めた
熱は無い
なのにTシャツの襟元から見える背中は
玉のような汗だらけ
両腕を前に挙げさせたり
らりるれろを言わせてみたりするものの
握力はあるしちゃんと発音できている
しかし、みるみる体は左に左に傾こうとする
救急車を呼ぶか迷う私と
父親の姿を見ている子供は
すでにパニック一歩手前
これはだめだ
救急車を呼ぼう
異変が起きてから2、3分のできごとだった
に耐えられなくなっていたこともあり