俺は飢えていた。
身体から無意識に放出されようとする
感情に俺の理性は揺さぶられ、
崩壊寸前まで追い詰められていた。
手が震える、いや勝手に動いている…。
意識と関係無いところで、俺の手は
"それ"をしていた。
我慢という行為が、これ程困難な事だったとは
夢にも思わなかった。
もう限界だ。
俺はいつのまにかハンドルを握り、
"それ"の場所へ向かっていた。
そう、俺は釣りがしたかったのだ。
ただ、こんなコーヒー色の如く濁っていちゃあ
釣りなんか出来るワケない!!
そして、ここ最近の雨で、出来ない事を知っていたのにも
関わらず、もしかしたらの一心で来ちゃったのだ!
燃料の無駄!! なんて反エコな人間なんだ、俺は!!
バカバカ! 終わり