チョイ悪タクシー運転手

この前、とある場所へ
バスで行ったんですが

バスがなかなか来ないもんで
タクシーを呼びました。


アッツい中、
じーっとタクシーを待ってやっときました。


「すいませんねー、
けっこう待ちましたか？」

おじいちゃんみたいな
運転手は言いました。


「かなり待ちました」

ウソをつけない僕は
汗だくで言いました。


運転手は、疲れて
ゆっくりしたい感丸出しの僕に
おかまいなく、やたらと話しかけてきました。


｢僕ねー、甲子園あんまり
聞きたくないんですけどね｣

と言いながら
ラジオのスイッチを入れました。


何でですか？
って聞けと言わんばかりの
顔をしてるので聞いてあげました。


｢何で聞きたくないんですか？｣



｢聞いたらね、


こっちに集中してしまうんです｣



めんどくさ。

と思いつつ、甲子園いいですもんね
と返しときました。


ﾀｸ｢やっぱり負けたらあとがない試合を
何たら…かんたら…｣


僕｢はい、あーはいはい
はい…はい（適当）｣



ﾀｸ｢お客さん、
けっこう若いですね…

んー…２０代ですか？」


(当たり前やろ)

と思いつつ


僕｢24です」



ﾀｸ｢わたし、

何歳に見えます？｣



もう、超めんどくさい。


バックミラー越しに
目しか見えへんし。

60代のじじいにしか見えんけど
ここは大人な対応を…


僕｢んー…
５５歳くらいですか？｣



ﾀｸ｢あっははは!!

こりゃー料金
タダにせなあきませんね!!｣


（そんな歳いってたのか）




ﾀｸ｢５８です｣



全然変わらんやないか!!!


58と55の違いなんか
わからんわ。


ﾀｸ｢お客さん24ですか～

じゃぁ


僕の彼女の2つ下ですね｣



僕｢えぇぇ!!!
（↑今日、初めて興味を持った）


彼女２６なんですか？

てかどこで
知り合ったんですか？｣



ﾀｸ｢まぁ、人生、


なにがあるか

分かりませんからね｣



そこ、はぐらかす意味わからん。

今まで散々しゃべってからに。



ﾀｸ｢やっぱり人は顔じゃないんです

生活力があるかないかです


お金を渡すと、パーっと
使ってしまう人とかダメなんです


分かりやすく言うと


紀香と光浦なら

私は断然、


光浦です｣



まぁ、結局、


よく分からなかったんですが




彼女はいつもジーパンと
クロックスを履いて、飾らない人やけど

髪型は仲間由紀恵みたいで
長い髪からピアスがチラチラ見えるとか


最近の若い子はすぐホテルとか連れ込むけど
私は連れ込みません

一緒にいるだけでいいんです


ま、

欲求を抑えてるだけなんですけど



とかノンストップで
ずーっとしゃべってきたけど



結局、料金は



1円たりとも

安くなりませんでした。