実家に郵便物を取りに行き少し掃除をし

そのあと母に面会してきた


母は

リクライニングするような

車いすに乗ってテレビの前にいた



母は今

誰とも意思の疎通はない


言葉を発することもない


私が顔を覗きこんでも


私とは分からない


目を合わせると


少し息が荒くなる感じだった


見慣れないので

こわいのかもしれない



リハビリ担当の作業療法士さんがいらして


彼女には息を荒げない


ふだんから慣れていて

良くしてくれている人だとわかるのだろう


先日「痛い」と言ったと教えてくれた


熱心に


今どの程度まで手が動くようになったとか


食べる時の様子とか話してくれた


右の鎖骨を骨折したのだが

右はまだあまり動かないらしい


左は

少し可動域が広がってきたそうだ


食べ物を近づけると口を開ける


口の中で舌で歯のところへ食べ物を運んで


しっかり噛むらしい


食欲があるのはいいこと


好きな食べ物を売店で買って


自分の手で口に運ぶように

やってみようと思うとのこと


好きなお菓子は何か聞かれた


かりんとうとか

甘いものだと答えた


そう聞くとイメージが湧きますと言っていた




主治医の先生がいらしたので


聞いてみた


これから上向く可能性はあるのか?



転倒して頭を打って


その時神経を痛めたのなら


もう改善することはないとのことだった


続けて


施設に移るなどで必要な書類などあれば


言ってくださいと



主治医からしたら


もう母は


治療したりして良くしていくことより


生きていく環境を整えることに

主眼が移っているようだ





母に会ってせつなくなった



なんだかとても疲れて


姉夫婦の家に帰ってきた