ひたちなか海浜鉄道スリーナイン -spring version-のこと
シアターキューブリックのローカル鉄道演劇「ひたちなか海浜鉄道スリーナイン」に参加しています。
茨城県 勝田駅~阿字ヶ浦駅を結ぶローカル線の車内で、3/27,28と4/2,3の週末に演劇が行われています。
オオゼキタクはこの舞台のための楽曲を書き下ろし、ギター弾き語りで出演もしています。とても光栄なことです。
昨年11月の舞台の好評を受けてアンコール公演。多くの人が楽しみに待ってくれているというのはなんとも嬉しいことですね。
実際に観て下さった方、いかがでしたか?
脚本・演出の緑川さんは、背景が秋から春に変わることでお客さんにどう伝えるべきか、変えなきゃいけない部分と守り抜く部分を極めてクールに考えておられました。稽古で役者の方々が発想したものを柔軟に取り入れ、ダメなものはダメと言い渡すやりとりは、側から見て実に愛のあるものだったと感じます。
色んな組織との兼ね合いをうまく調整して、その中にある物語の世界の純粋はしっかり守っていく。僕もチームの一員であるということと、その世界の住人として声を出しギターを弾くことに喜びを感じています。
劇団の皆さんはオフの時の屈託のない笑顔からは想像もつきませんが、
前回からそんなに間があいていない分、どうすれば新鮮な気持ちで臨めるかを考えているように思います。数見ていて初めて分かってきたことですが、僕らでは計り知れない微妙な目盛り調節に取り組んでいる。訓練に訓練を重ねた末にできる、まさに職人技です。
それから、このローカル鉄道演劇には「まちあるき」という不可欠な要素があります。まちそのものが物語のヒントにもなりえるわけで、この部分は出演でない劇団員の皆さんが楽しみながら知恵を絞ってとても楽しいものに仕上がっています。あと4回チャンスがありますから、ぜひお客さんみんなに楽しんで頂きたいです。
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音楽のオオゼキタクはどんなことを考えているのかというと、昨年9月に香川で行われたローカル鉄道演劇「ことでんスリーナイン」に思いを馳せています。
昨秋のことでん~ひたちなかの2作品は実は繋がっているんですね。
ことでんの物語なくては今回のテーマ曲である「旅するように時は巡る」は生まれなかったし、そこで活き活きと演じたほしあいめみちゃん、敷名めぐみさんたちの表情を観ながら演奏した記憶を反芻しています。
みんなで作りあげた時間。
楽屋でのやりとりや、終演後の宿に帰る道のこと、滝宮でお客さんを降ろしたあとの車内とか、ぷりんどらやきのこと、そしてなんども庇の上げ下ろしをした愛しいレトロ電車。ことでん平尾さんたちの優しさ。
そういった思いの積み重ねが、
今回の舞台の下に地層のように存在するから、じんわり泣けてくるのかなーとか思います。
とか言いつつ、演ってる時は(指を間違えないように)とか必死なんですけどね(笑)
とにかく、
泣いても笑ってもあと4回。
今週末の「ひたちなか海浜鉄道スリーナイン」をチームみんなで最高のものにしたいなって、そんな風に思っています。