レールの幅 後編
関東では、3種類ほど違うレール幅を見ることができます。
広い順に標準軌(ひょうじゅんき)・変則軌・狭軌といいます。
その違いを、実地レポートにて取材してきました。
それでは現場の、オオゼキさんにマイクをお渡ししまーす。
はい、現場のオオゼキです(;´Д`)
<狭軌(三六軌間) 1,067mm>
山手線をはじめ、日本で一番多く採用されているレール幅がこの狭軌です。
山谷が多い日本で鉄道の建設費削減の狙いもあって、この軌間が選ばれたらしい。
狭軌のレールの幅は、1067mm。
3フィート6インチなので「三六軌間」とも呼ばれるそうです。
鶴見駅近くの総持寺踏切にて。
足そんなに開いてないのがお分かりでしょうか。
JR在来線や全国の私鉄はほとんどこの幅です。
<変則軌(馬車軌間) 1,372mm>
京王線と、京王が相互乗り入れしている都営新宿線はこの変速軌です。
現在では都電荒川線・東急世田谷線・函館市電のみ採用という珍しい軌間。
「馬車軌間」という別称は、最初に馬車鉄道を走らせた時の名残。
東京市電(路面電車)があった頃はこの軌間だったらしいです。
ちなみに
井の頭線は昔小田急電鉄の持ち路線だった経緯があって狭軌です。
ということで、京王本線を走るこの電車は、井の頭線に乗り入れることはできません。
<標準軌 1435mm>
この京浜急行をはじめ、関西の私鉄(阪急・阪神・近鉄のほとんど など)、
そして、なにを隠そう新幹線もこの標準軌です。
花月園前駅にて。
世界の鉄道の多くがこの標準軌。
京急の車両は新幹線の線路を走ることは実際は不可能でも、
物理的には乗っけることはできるということになります。
ここでフツフツと湧いた疑問。
新幹線(標準軌)の線路にJR在来線(狭軌)は入っていけません。
じゃあ山形新幹線・秋田新幹線が乗り入れる場合、在来線はどうなっているのか??
なんと、
山形新幹線が通る奥羽本線(福島~新庄間)と
秋田新幹線が通る田沢湖線・奥羽本線(盛岡~秋田間)は、
狭軌だったレールを一回全部はがし、
標準軌で張りなおすという非常に手間のかかる「改軌」を行い、
標準軌でしか走らないJR車両(719系5000番台、701系5000番台など)を
新造してしまったのです。なんて力のいれよう!
レール張替えの期間は、田沢湖線区間に代行バスが走ったり、
期間限定の特急「秋田リレー号」が走ったりと、結構大変だったらしいです。
職員さんたちの苦労がしのばれます。。
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※ここからは時間に余裕のある方だけどうぞ★
さらに、
特殊なレールの幅があるらしいので、調べてみました。
<特殊狭軌(ナローゲージ)>
狭軌(1067mm)よりさらに狭いレール幅があると知ったのは最近のことでした。FM三重の番組に出演したときに、パーソナリティの方に教えてもらったんです。
「タクさん、ナローゲージって知ってますか?」
軌間762mmの三岐鉄道北勢線(西桑名~阿下喜)は日本でも貴重なナローゲージ路線!ほかには近鉄内部線、八王子線などで乗ることができます。
名古屋プロモーションの時、
この車両に乗るがために早起きして桑名を訪れ、撮影したもの↓
ナローゲージの車両は小さくて遊園地の乗り物みたいにカワイイです。
ロングシートの車両でお客さんが向き合って座ると、その間を通り抜けることができないくらいの密着度合になります。是非これはですね、乗っていただきたい!
昔の軽便(けいべん)鉄道の流れから、この超狭い軌間の路線が生まれたそうです。
日本全国にあったそうですが、今では本当に数少なくなってしまいました。
それでは最後に、
ちょっと珍しいものを。
<三線軌条>
どうしても標準軌と狭軌の車両を一緒に走らせてあげたい・・
そんな切ない願いを叶えるのがこの、三線軌条(さんせんきじょう)!!
京浜急行金沢八景駅前の踏切
僕の母校、横浜市大のすぐ横に東急車輛という車両工場があります。
車両を納品するためには当然線路を使いますが、JR在来線(狭軌)の車両を逗子方面へと運ぶとき、京浜急行(標準軌)線路の上を走る必要があります。途中の神武寺駅くらいまではこの三線軌条が組まれており、狭軌の車両の場合は狭いほうを、京浜急行線は広いほうの線路を走っていきます。
三線軌条のポイント(分岐点)なんてもう、
大量のレールを使ったオブジェのように壮観。。
この辺はもう、「モハよう」の吉田さん垂涎の景色と思われます(@_@)
ちょっと前まで
箱根登山鉄道入生田~箱根湯本間で普段から使われていたらしいですが、
(小田急線(狭軌)と箱根登山鉄道(標準軌)が両方走る線区のため)
今ではほとんど見ることができなくなってしまったらしいです。
<フリーゲージトレイン>
現在フリーゲージ仕様の車両・・軌間に関係なく走れる列車が開発されつつあり、
スペインではもう実用化に至っているそうです。
軌間を気にすることなく走り回る新幹線が誕生するのかな。
今後がだいぶ楽しみ!ていうか見てみたい!!
はぁ。。疲れた