夕張鉄道の「錦沢駅」は1926(大正15)年に三段式スイッチバックの信号場として開業、1927(昭和2)年に一般営業を開始した。旅客営業をしている頃には、炭鉱町の数少ない行楽地として駅周辺に釣堀や小動物園・遊園施設が設置され、市民の憩いの場として春は桜、秋は紅葉の名所として賑わい、時には花火大会も開催され夕張からだけでなく栗山・南幌方面からも臨時列車が運行された。夕鉄随一の名所だけに「絵はがき」など多くの写真が残されている。


・錦沢遊園地 夕張市観光絵はがき 1963年頃

・錦沢遊園地 夕張市観光絵はがき 1960年頃

・錦沢遊園地の遊具券

炭都・夕張の隆盛と共に、駅に隣接した「錦沢遊園地」には昭和38(1963)年に豆汽車、豆自動車等の電動遊具が導入され、子供達の楽園として賑わったが、それも長くは続かず昭和45(1970)年には夕張鉄道の旅客部門合理化に伴い閉園となった。


・錦沢遊園地とスイッチバックを行く夕張鉄道のSL 大崎盛氏 1965年頃

・錦沢駅の夕鉄気動車 中西進一郎氏 1963年

旅客輸送廃止後も、SL撮影の名所として賑わった錦沢だが、最末期は信号も自動化され無人駅となった。
1975(昭和50)年3月の夕張鉄道廃止後はサイクリングロードが整備されたが、それも廃止され「錦沢遊園」の石碑が往時の賑わいを伝えている。

・往時を伝える錦沢遊園の碑